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2024年9月24日

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令和6年8月 北海道 観光客増加で北海道の小売業が好調、土産物店の売上が前年比123.9%増

令和6年8月調査(令和6年9月9日公表):景気ウォッチャー調査 北海道(内閣府)

北海道の景気動向に関するレポートを基に、地域経済の現状や今後の展望について詳しく分析します。令和6年8月の調査によると、全体的には景気が徐々に回復傾向にあるものの、一部の業種では依然として困難な状況が続いていることが確認されています。

まず、一般小売業においては、観光客の増加が売上に好影響を与えている店舗が多くみられます。特に観光名所に近い店舗や、国内線の航空需要が回復した影響で、インバウンド(海外からの観光客)の動きが活発化しているエリアでは、売上が好調です。例えば、2016年の北海道新幹線開業時の来客数を上回る業績を記録した観光名所も存在します。これは、韓国や台湾からの訪問者が増加していること、中国との直行便の回復も寄与しています。全体的には、コロナ禍前の8割強の水準まで観光業の回復が進んでいると報告されています。

一方、商店街では、夏祭りや花火大会といったイベントが開催されたことで来街者が増加し、商店の売上も前年を上回る結果となっています。特に、土産物店においては2020年以降の売上が大幅に増加しており、前年対比で123.9%の成長を遂げています。これは、家族連れの観光客や夏休み中の消費活動が活発化していることが要因とされています。

インバウンド需要の回復もまた、地域経済に好影響を与えています。円安の影響で、海外からの訪問者の購買力が強化され、高級レストランや百貨店などでも売上が増加しています。特に百貨店では、インバウンド客の購買単価が上昇しており、これにより全体的な売上が伸びている状況です。しかしながら、一部の業種では個人消費の停滞が報告されており、個人消費の低迷が景気全体に対する不安材料となっています。

飲食業に関しては、夏の繁忙期における観光客の増加に伴い、高級レストランをはじめとする飲食店では来客数が増加しています。例年であればお盆を過ぎると来客数が減少する傾向にありますが、今年は観光客の来店が継続しており、特に週末には繁忙期と同様の混雑が見られるようです。しかし、地元客の減少や客単価の低下といった問題も指摘されており、今後の動向には注意が必要です。

一方、住宅関連業界では、建築資材の高騰や金利の上昇により住宅ローンの借入額が減少しており、住宅販売が停滞しています。特に新築住宅の需要が低迷しているため、住宅業界全体の景気は悪化していると報告されています。また、観光業界の回復が進む中、宿泊施設や旅行代理店の予約も増加しているものの、価格高騰や人材不足といった問題が依然として業界の成長を妨げている状況です。

交通業界では、タクシー業界においても回復の兆しが見られます。お盆期間中の利用客が増加し、タクシー1台あたりの売上は前年並みとなっており、コロナ禍前の水準に近づいています。また、乗務員の増加により、会社全体の売上も前年比で35%増加しました。ただし、運転手の確保には依然として課題が残っており、タクシー業界全体での完全な回復には時間がかかると見られています。

一方で、食品業界では、物価高の影響が顕著に表れています。特に価格上昇が消費者の購買意欲に影響を与えており、消費者が必要最低限のものしか購入しない傾向が強まっています。スーパーやコンビニエンスストアにおいても、消費者の買い控えが進んでおり、売上が減少傾向にあります。

製造業では、金属製品の販売や自動車関連の動きが鈍化していることが指摘されています。特に自動車販売業界では、新車の需要が低迷しており、来店客数や販売量の回復が期待されていない状況です。これに加えて、エネルギー価格の高騰や観光業への支出シフトも影響しており、全体的な景気は厳しい状態にあります。

また、人材派遣業界では、求人案件が増加傾向にあるものの、特定の資格やスキルを持った人材の確保が難しく、企業の人手不足が依然として続いている状況です。特に建設業界では、再開発プロジェクトが注目されているものの、人材の偏在が問題となっており、工事がスムーズに進まないケースも報告されています。

総じて、北海道の景気は一部の業種で回復基調にあるものの、個人消費の低迷や物価高、人材不足といった課題が依然として残っているため、今後の動向には注意が必要です。特に住宅市場や自動車業界、食品業界などでは、物価上昇や消費者心理の変化が大きく影響しており、これらの問題を解決するための政策や対策が求められています。

⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ

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