2024年10月11日
労務・人事ニュース
令和6年8月 奈良県の新規求人倍率2.01倍に上昇!観光業や製造業で求人急増
奈良県の一般職業紹介状況(令和6年8月分)について(奈良労働局)
奈良県の雇用情勢については、最新のデータによれば、引き続き求人数が求職者数を上回っており、全体的な求人倍率も上昇傾向にあります。例えば、令和6年8月の有効求人倍率は1.14倍であり、前月から0.03ポイント上昇しました。この指標は、県内における求人数が求職者数を上回る状況を示しています。また、新規求人倍率も2.01倍となっており、前月から0.07ポイントの上昇を見せています。これらの数値は、奈良県内の雇用環境が引き続き堅調であることを裏付けています。
さらに、就業地別で見た場合の有効求人倍率は1.33倍であり、こちらも前月から0.01ポイント上昇しています。このデータからもわかるように、奈良県内の雇用環境は依然として活発であり、特に新規求人に関しては、求職者が引き続き多くの選択肢を持っている状況です。なお、新規求人数は前月比で2.8%増加しており、特にサービス業や卸売業、小売業で顕著な増加が見られました。
具体的な産業別では、宿泊業や飲食サービス業が前年同月比で39.6%増加しており、観光業の回復が進んでいることが伺えます。一方で、建設業においては17.0%の減少が見られ、依然として人手不足の解消には課題が残ると考えられます。また、医療・福祉分野においても前年同月比で15.1%の減少が見られ、この分野での求人確保が急務となっています。
離職者の動向に関しても興味深いデータが得られています。離職者全体のうち、自己都合による離職者は前年同月比で5.2%減少しているものの、事業主都合による離職者は17.6%増加しています。このことから、一部の業界では経済状況の影響を受け、事業の縮小や再編が進んでいることが考えられます。さらに、新規求職者数は3,899人で、前月から0.8%の減少を見せており、求職市場全体としても徐々に安定しつつあることが示されています。
奈良県の求人動向を産業別に詳しく見ると、製造業や運輸業においても増加傾向が続いています。製造業では6.1%の増加が見られ、特に食料品製造業で24.0%の増加が顕著です。これに対し、繊維工業や木材・木製品製造業では若干の減少が見られ、特定の分野における需給バランスが変化していることがわかります。運輸業や郵便業においても3.8%の増加が見られ、物流分野での求人需要が引き続き高いことが示されています。
次に、新規求人に占める正社員求人の割合は47.2%となっており、前年同月比で8.1%減少しています。正社員有効求人倍率は0.93倍で、前年同月比でわずかに増加しているものの、依然として1倍を下回る状況が続いています。これに対し、非正社員の求人倍率は全体的に高く、特にパートタイムの求人に対する需要が高いことがわかります。
一方で、奈良県の雇用保険受給者数は依然として高水準にあり、令和6年8月のデータでは、受給者数が全体で18,463人となり、前月から0.2%増加しました。この数字は、依然として多くの労働者が失業状態にあることを示しており、雇用保険の重要性が浮き彫りになっています。
このように、奈良県の労働市場は全体としては堅調に推移しているものの、特定の産業や雇用形態においては依然として課題が残されています。特に医療・福祉分野や建設業における人手不足が深刻化しており、今後の対策が求められるでしょう。また、正社員求人の減少傾向も懸念されるポイントであり、雇用の安定を図るための政策が必要とされる状況です。今後も奈良県内の雇用情勢は物価上昇や経済の動向に大きく影響を受けることが予想され、引き続き注視が必要です。
⇒ 詳しくは奈良労働局のWEBサイトへ