2024年10月12日
労務・人事ニュース
令和6年8月 宮崎県の有効求人倍率、1.31倍に上昇!13ヶ月連続減少の新規求人数が示す雇用動向
一般職業紹介状況(令和6年8月分)(宮崎労働局)
宮崎県における令和6年8月の雇用情勢は、全国的な動向と同様に、依然として求人が求職を上回る状況が続いています。具体的には、有効求人倍率(季節調整値)は1.31倍となり、前月から0.02ポイント上昇しました。これは、110ヶ月連続で1倍台を維持しており、宮崎県における労働市場が依然として求人に対して十分な供給ができていることを示しています。特に、正社員有効求人倍率は1.11倍で、前年同月よりわずかに低下しているものの、依然として正社員需要が堅調であることが伺えます。
一方、有効求人数は前年同月比で10.3%減少しており、新規求人数も9.0%減少しています。新規求職者数も同様に15.2%減少しており、求職者数の減少が目立っています。これは、コロナ禍以降、労働市場における求人と求職のバランスが変化しつつあることを反映しています。
産業別に見た場合、18の産業のうち、5産業で求人が増加しました。例えば、複合サービス業では93.4%増加、情報通信業でも8.9%増加しており、これらの分野での人材需要が高まっていることがわかります。一方、医療・福祉分野では8.8%減少しており、卸売業・小売業でも16.9%減少、宿泊業・飲食サービス業に至っては26.9%減少しています。これらの分野では、コロナ禍の影響が続いていることが伺えます。
また、求職者の内訳を詳しく見ると、在職者は前年同月比で13.7%減少、離職者は14.6%減少、無業者は24.6%減少しています。特に離職者の中では、事業主都合による離職が9.5%減少している点は、企業側の解雇が減少していることを示しています。
宮崎県の労働市場においては、正社員求人倍率の動向も注目されています。正社員有効求人倍率(原数値)は1.11倍で、前年同月より0.01ポイント低下していますが、これでもなお求職者数を上回っており、正社員としての雇用需要が引き続き高いことがわかります。正社員有効求人数は13,026人、常用フルタイム有効求職者数は11,731人であり、依然として多くの求人があることが明らかです。
さらに、宮崎県の就業地別の有効求人倍率も1.41倍と受理地別の有効求人倍率1.31倍を上回っており、これは企業の求人が実際の就業地においても引き続き高いことを示しています。このように、宮崎県における労働市場は全体的に見ると、依然として求人需要が高く、特に一部の業種では求人数の増加が顕著です。しかし、医療や飲食サービス業など、労働力需要の減少が見られる業種もあり、今後の動向に注視する必要があります。
宮崎労働局の発表によれば、求人数の減少は今後も続く可能性があり、特に物価上昇などが雇用に与える影響に注目が集まっています。実際、新規求職者数も減少傾向にあり、これは労働力の流出や、労働意欲の低下が一因と考えられます。労働市場の変化に対応するためには、企業側も求人条件の見直しや、働きやすい職場環境の整備が求められるでしょう。
⇒ 詳しくは宮崎労働局のWEBサイトへ