2024年10月9日
労務・人事ニュース
令和6年8月 岩手県内の求人倍率が2カ月連続で上昇!新規求人倍率は2.02倍に
岩手県内の一般職業紹介状況 令和6年8月分(岩手労働局)
岩手県の労働市場は、最近のデータによると、求人倍率が増加傾向にあり、雇用情勢に一部の改善が見られます。例えば、最新のデータでは新規求人倍率が2.02倍となり、前月比で0.23ポイント上昇しています。これは、新規求人数が4,792件であるのに対し、新規求職者数が約2倍近くとなっており、雇用主側の採用ニーズが求職者数を上回っていることを示しています。一方で、有効求人数は25,302件と横ばいですが、有効求職者数は20,947人と前月比で減少しており、結果として有効求人倍率も上昇しています。これにより、求職者にとっては就職のチャンスが増えていると言えますが、一部の地域や産業では、依然として不安定な状況が続いています。
岩手県全体の雇用情勢は、地域や産業ごとに差が見られます。沿岸部では求人数が比較的安定している一方、内陸部では特定の産業で求人が減少しています。例えば、製造業や建設業などの分野では、求人数が一部減少しており、特に製造業では前年同月比で16.5%の減少が見られます。食料品製造業や繊維工業では30%以上の減少があり、これが全体の製造業の求人数減少に寄与しています。一方、情報通信業や運輸業・郵便業などの一部のサービス業では求人数が増加しており、これらの産業での求人は堅調です。
岩手県内の地域別に見ると、盛岡市などの内陸部では、雇用環境が比較的安定しています。例えば、盛岡市では有効求人倍率が1.23倍となっており、前月比で小幅に上昇しています。花巻市や北上市などの地域でも同様に求人倍率が上昇しており、特に花巻市では1.66倍から1.68倍に上昇しました。一方で、大船渡市や釜石市などの沿岸部では求人倍率が低下しており、特に大船渡市では求人倍率が0.89倍と、求職者数が求人を上回る状況です。
求人倍率の推移を見ても、岩手県全体での有効求人倍率は1.21倍となり、全国平均の1.23倍をやや下回っています。ただし、全国と比べても大きな差はなく、岩手県の雇用状況は比較的安定していると言えるでしょう。しかし、物価上昇や景気の不安定さが続いているため、今後の雇用情勢には引き続き注意が必要です。
企業の採用担当者にとって重要なポイントとしては、岩手県内での新規求人倍率が上昇していることや、特にサービス業や情報通信業などの分野での求人が増加していることが挙げられます。また、地域別に見ると、内陸部での求人倍率が比較的高く、特に盛岡市や北上市などの地域での採用活動が活発化しています。一方で、沿岸部では求人倍率が低下傾向にあり、特に製造業や建設業での求人が減少しているため、これらの地域では採用活動が厳しくなる可能性があります。
今後の雇用情勢については、物価上昇や経済の不透明感が依然として課題となっており、特に中小企業や特定の産業では雇用調整の動きが見られる可能性があります。企業の採用戦略としては、地域や業界ごとの求人倍率の動向を注視しつつ、柔軟な採用計画を立てることが求められるでしょう。また、オンラインでの求職活動が増加していることもあり、企業側もインターネットを活用した求人活動の強化が必要です。ハローワークインターネットサービスを活用した採用活動は、今後ますます重要になると考えられます。
⇒ 詳しくは岩手労働局のWEBサイトへ