2024年10月9日
労務・人事ニュース
令和6年8月 岩手県新規高卒者向け求人、前年比0.1%減少も製造業1,970人で安定成長
令和7年3月新規高等学校卒業予定者対象求人受理状況(令和6年8月末日現在)(岩手労働局)
岩手県における令和7年3月新規高等学校卒業予定者の求人受理状況がまとめられました。令和6年8月末時点におけるデータでは、求人数は5,596人であり、前年同期と比較して8人、0.1%の減少となっています。求人数が多い産業は、製造業が1,970人、建設業が1,139人、卸売・小売業が680人とされています。一方で、求職者数は2,164人で、前年同期比で52人、2.5%増加しており、県内の求職者数も1,664人と51人、3.2%増えています。この結果、求人倍率は県内で3.36倍となり、前年同期比で0.11ポイント低下しています。
岩手労働局とハローワークでは、高校生の就職支援に注力しており、企業情報の発信や就職ガイダンスの実施など、適職選択を支援する取り組みが行われています。また、選考開始後も高校と就職支援ナビゲーターとの連携を強化し、生徒が卒業までに就職できるよう、就職面接会などが開催されています。これにより、岩手県内の多くの高校生がスムーズに職に就ける環境が整えられています。
地域別の求人状況では、内陸部の求人が依然として多く、盛岡では753件、花巻では189件、一関では199件の求人が受理されています。特に、水沢地区では前年同期比で5.2%増の345件と、好調な状況が見られます。沿岸部においても、釜石や宮古、大船渡などで求人が出ており、久慈市でも129件の求人が受理されています。
産業別の求人数の詳細をみると、製造業では食料品製造業が351人で前年同期比7.1%減少、輸送用機械器具製造業では前年同期比68.4%増加の261人といった特徴が見られます。建設業も前年同期比でわずかに増加しており、1,139人の求人が報告されています。また、卸売業・小売業の求人は680人で、前年同期比で9.1%の増加となっています。
宿泊業や飲食サービス業については、前年同期比で19.4%減少して290人となっており、特に宿泊業は前年同期比で29.8%減少して172人となっています。この減少は、観光業の回復が遅れていることや、コロナ禍からの回復が完全には進んでいないことが背景にあると考えられます。一方で、飲食サービス業では2.6%の増加が見られ、118人の求人が報告されています。
医療・福祉分野の求人も、前年同期比で13.2%減少して439人となっていますが、依然として安定した求人数を維持しています。サービス業全般でも、前年同期比で14.7%の減少が見られ、求人は879人となっています。
求人倍率に関しては、全体としては前年同期比で若干の低下が見られるものの、依然として高い水準を維持しています。特に、製造業や建設業、運輸業などの業種では、求人倍率が高く、多くの企業が新卒の採用を積極的に進めていることが分かります。これに対して、宿泊業や飲食サービス業などでは求人倍率が低下しており、労働市場における需要と供給のバランスが変化していることが見受けられます。
岩手労働局は、今後も企業との連携を強化し、求人確保に向けた取り組みを継続していく方針を示しています。特に、新規高卒者の就職支援に向けて、企業への早期の求人提出を促すとともに、地域ごとの需要に応じた支援策を展開していく考えです。このような取り組みにより、岩手県内の労働市場の活性化が期待されており、新卒者にとっても引き続き安定した就職の機会が提供される見込みです。
また、岩手県内における新規高卒者向けの求人受理状況は、過去10年間で5番目に多い水準となっており、地域経済の回復基調が続いていることが示されています。求人数の推移をみると、令和6年3月卒業予定者の求人は過去数年間で増減を繰り返しながらも、全体的には安定した水準を保っており、特に製造業や建設業の求人は引き続き高い需要が見られます。
企業にとっては、新卒者を採用することで若い労働力を確保し、将来的な成長に向けた人材育成を進めることが重要です。岩手県内でも、多くの企業が新卒者の採用を進めており、地域の経済活性化に寄与しています。今後も、地域ごとの需要に応じた求人が展開され、新卒者にとって魅力的な就職先が増えていくことが期待されています。
⇒ 詳しくは岩手労働局のWEBサイトへ