2024年10月11日
労務・人事ニュース
令和6年8月 愛知県の最新雇用情勢 有効求人倍率1.26倍、製造業で新規求人が急増中
県内の雇用失業情勢について ~令和6年8月分の「県内の求人倍率」等~(愛知労働局)
愛知県の雇用情勢について、最新のデータから詳しい状況を説明します。愛知県は、日本の中部地方に位置し、特に自動車産業を中心とした製造業が盛んな地域です。こうした経済基盤に支えられて、県内の雇用市場は一定の安定を保っており、全国平均を上回る労働需要を維持しています。最新の統計によると、愛知県の有効求人倍率は全国平均をわずかに上回る水準で推移しています。
令和6年8月の愛知県の有効求人倍率は1.26倍であり、前月と同水準でした。この数字は、求人数が求職者数を上回っていることを示しており、雇用市場が求職者にとって有利な状況であることがわかります。また、新規求人倍率は2.46倍で、前月から0.10ポイント上昇しており、新規の雇用需要が引き続き強いことを示しています。特に、愛知県は製造業が盛んなため、製造業における求人が多く、これが全体の求人倍率を押し上げる要因となっています。
地域別に見ても、名古屋市を中心としたエリアでは求人倍率がさらに高く、3.71倍となっています。これは他の地域に比べて圧倒的に高い数字であり、都市部における求人需要が非常に強いことがわかります。一方で、尾張や西三河、東三河といった地域では求人倍率がやや低くなっていますが、それでも求人が求職者数を上回る状況が続いています。特に、製造業や建設業における求人が高いことが顕著です。
正社員の有効求人倍率も高い水準で維持されており、1.11倍と、3年連続で1倍台を保っています。このことから、正社員としての求人も依然として強い需要があり、労働者にとって正社員としての雇用機会が豊富であることがわかります。ただし、正社員の新規求人数はやや減少傾向にあり、企業側も慎重な採用活動を行っている可能性があります。
また、愛知県の求人倍率は全国平均を上回っていることが特徴です。全国の有効求人倍率が1.23倍であるのに対し、愛知県はそれを0.01ポイント上回る1.24倍となっています。特に、新規求人倍率では、愛知県の数値が全国平均を0.14ポイント上回り、2.46倍に達しています。これは、愛知県の経済活動が活発であり、新規雇用が引き続き活発に行われていることを示しています。
製造業を中心にした産業別の求人状況を見ると、輸送用機械器具製造業や情報通信業などの分野で求人が増加しています。これらの分野では、特に高い技術を持った人材の需要が強く、専門職や技術職に対する求人が高まっています。輸送用機械器具製造業では、前年比3.4%増の求人があり、特に正社員としての雇用が増加しています。一方で、プラスチック製品製造業や繊維工業など、一部の製造業分野では求人が減少傾向にあり、業界ごとの差が見られます。
また、サービス業、特に介護や医療福祉分野でも求人が増加しており、介護サービス従事者に対する需要が依然として高いことがわかります。この分野では、慢性的な人手不足が続いており、介護サービスの需要が今後も増加することが予想されています。社会福祉や医療分野では、新規求人倍率が5.93倍と非常に高く、即戦力となる人材が求められています。
一方で、若年層から中高年層に至るまでの年齢別の求職者動向を見ても、20代から40代の労働者に対する求人が非常に高いことがわかります。20代の求職者に対する新規求人倍率は3.12倍であり、若年層の人材に対する需要が依然として高い状況です。特に、30代後半から40代にかけての技術職や管理職としての求人が増加しており、この世代の求職者にとっても有利な環境が整っています。
さらに、愛知県全体の失業率は、引き続き全国平均を下回っており、完全失業率も2.0%と低水準を維持しています。これは、県内の企業が堅調に雇用を拡大していることを示しており、特に製造業を中心とした産業の安定した成長が背景にあります。
総じて、愛知県の雇用市場は全国的にも安定しており、特に製造業や医療福祉分野での求人が多いことが特徴です。また、都市部と地方部で求人倍率に若干の差はあるものの、全体として求人が求職者数を上回る状況が続いており、今後も安定した雇用機会が期待されます。
⇒ 詳しくは愛知労働局のWEBサイトへ