2024年10月10日
労務・人事ニュース
令和6年8月 石川県の求人倍率が1.49倍に上昇!建設業と医療福祉業界の求人が大幅増加
最近の雇用失業情勢 令和6年8月分(石川労働局)
石川県の最近の雇用情勢は、地域や業種によって差があるものの、全体として求人が求職を上回る傾向が続いています。令和6年8月時点の有効求人倍率(季節調整値)は1.49倍で、前月比で0.02ポイント上昇し、2か月連続の上昇を記録しました。特に新規求人倍率は2.63倍と前月比で0.07ポイント上昇しており、4か月連続の増加が確認されています。この状況から、県内企業は人材を積極的に求めているものの、求職者数の減少が目立つ点が課題として浮かび上がっています。
有効求人数は26,662人で、前月比1.0%の増加を見せましたが、有効求職者数は17,954人となり、前月比0.2%の減少が見られました。これは、労働市場がタイトな状況にあることを示しており、特に新規求人(原数値)は前年同月比で2.0%減少していることから、求人の伸びが鈍化していることが伺えます。一方で、正社員有効求人倍率は1.23倍で、前年同月比0.02ポイント低下しています。これは、フルタイムの求職者をターゲットにした企業が依然として安定的に求人を行っているものの、求職者のニーズに合致するポジションの不足が要因となっている可能性があります。
産業別の動向を見ると、建設業(38.8%増)、情報通信業(4.0%増)、医療・福祉(16.6%増)などの業種では求人が前年同月比で増加しました。特に建設業や医療・福祉業は、地域のインフラ整備や高齢化に伴う需要の高まりが背景にあると考えられます。一方で、製造業(4.0%減)、卸売業・小売業(19.3%減)、宿泊業・飲食サービス業(4.4%減)などでは求人が減少しました。特に卸売業・小売業と宿泊業・飲食サービス業では、消費動向や観光業の回復が遅れていることが影響していると見られ、今後の動向が注目されます。
県内のハローワーク別の有効求人倍率を見ると、地域によって差があるものの、全体としては求人倍率は前年同月比で小幅な変動にとどまっています。金沢所や白山所、小松所では求人倍率が上昇している一方、七尾所や輪島所では低下しています。これは、令和6年に発生した能登半島地震の影響も一因であり、特に北部地域では地震後の復興が進む中で、労働市場が弱含みとなっている地域もあることが分かります。
さらに、労働市場における新規求職者数(原数値)は前年同月比で9.5%減少しました。新規求職者数の減少は、特に在職者が19.4%減少したことが影響しており、離職者の減少も5.1%と落ち着いた動きを見せています。これにより、企業が新たな人材を獲得するための競争が激化している状況が浮かび上がります。
このような状況の中で、企業の採用活動は厳しい局面を迎えている一方、求人倍率が高いことから、石川県内での採用は引き続き活発であると言えます。企業にとっては、特に医療・福祉業界や建設業界などの成長が期待される分野において、優秀な人材を確保するための競争が続くことが予想されます。また、求職者に対しては、地域や業種によって異なる雇用機会をどのように活かしていくかが重要な課題となります。
このように、石川県の労働市場は多様な要因によって動いており、特に地震の影響や業種ごとの需給バランスの変化が大きな特徴となっています。企業は自社のニーズに合った人材を確保するために、求人の工夫や条件の改善を図る必要があり、求職者にとっては、自身のスキルやキャリアを活かすための転職活動が今後も重要なテーマとなるでしょう。
⇒ 詳しくは石川労働局のWEBサイトへ