労務・人事ニュース

令和6年8月分 最近の雇用失業情勢（福島労働局）

福島県の労働市場に関する情報をもとに、企業の採用担当者が関心を持つ内容で、具体的なデータを交えた記事を作成します。この記事では、福島県内の雇用情勢や求人倍率の動向、産業別の求人状況、そしてそれらの背景について詳しく説明します。

2023年8月時点での福島県内の有効求人倍率は1.24倍となっており、これは全国平均とほぼ同等の水準です。有効求人倍率とは、求人数と求職者数の比率を示し、1倍を超える場合は求人が求職を上回っていることを意味します。福島県では引き続き求人が求職を上回っており、一部の業種において回復傾向が見られるものの、地域や業種によっては依然として課題が残っています。

福島県内の有効求人倍率は2023年8月時点で1.24倍と、前年同月比では減少傾向にあります。具体的には、有効求人数は34,941人、求職者数は29,001人となっており、求人倍率は前月比で0.01ポイントの減少を記録しました。これは、建設業や製造業など一部の産業での新規求人の減少が影響しています。

特に建設業や製造業は、近年、求人が減少傾向にあり、2023年8月には前年同月比で9.7％の減少を記録しました。製造業においても、同様に新規求人が減少しており、前年比3.4％の減少を見せました。一方で、宿泊業や飲食サービス業においては、28.7％の増加を記録しており、観光需要の回復などが影響しています。

正社員の求人動向についても触れておきます。2023年8月時点で、正社員の有効求人倍率は1.02倍となっており、前年同月を0.05ポイント下回りました。これは、特にサービス業や小売業における正社員の求人が減少していることが影響しています。しかし、建設業や宿泊業では正社員の需要が引き続き高く、求人倍率は前年同月を上回る傾向が見られます。

また、地域別で見ると、福島県内でも一部のハローワークでは有効求人倍率が1倍を下回っており、例えば須賀川のハローワークでは0.94倍と、求人が不足している状況です。これは、地域間の経済格差や雇用機会の偏在が影響していると考えられます。

2023年8月時点の主な産業別の新規求人数は、建設業が1,498人、製造業が1,681人、運輸業が460人、卸売業・小売業が1,405人、宿泊業・飲食サービス業が880人、医療・福祉が2,510人、サービス業が1,964人となっています。これらの数字から、医療・福祉やサービス業では比較的求人が堅調である一方で、運輸業や卸売業、小売業などでは新規求人が減少していることが分かります。

一方で、新規求人数の減少が顕著であった業種としては、運輸業が前年比25.6％減、サービス業が前年比10.9％減となっています。これらの業種では、新型コロナウイルスの影響や、物流の効率化による雇用の減少などが原因と考えられます。

求人倍率の低下は、企業側にとっては採用の難易度が低下する反面、求職者にとっては競争が激化する可能性があります。特に、若年層や未経験者の雇用機会が限られる中で、福島県内の企業は人材確保に向けた柔軟な対応が求められています。例えば、非正規雇用から正規雇用への転換や、在宅勤務などの新しい働き方を導入することで、求職者のニーズに応えることが重要です。

福島県内の企業にとって、今後の人材確保のポイントは、地域や産業の特性を踏まえた戦略的な採用活動です。例えば、福祉分野では高齢化に伴う人材需要が高まっており、専門的なスキルを持つ人材の確保が急務です。また、観光業やサービス業では、インバウンド需要の回復に備えて、外国語対応やデジタル技術に強い人材の確保が求められます。

企業の採用担当者は、福島県の雇用情勢や求人動向を踏まえた上で、どの産業でどのような人材が求められているかを把握し、効果的な採用活動を展開する必要があります。特に、求人数が増加している宿泊業や福祉業界では、早期の対応が必要です。また、求人倍率が低い地域では、地域特性に合わせた働き方改革や人材育成が鍵となるでしょう。

⇒ 詳しくは福島労働局のWEBサイトへ