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2024年9月24日

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令和6年8月 近畿 求人市場が活況、大阪・関西万博に向けて新規求人が前年比20%増加

令和6年8月調査(令和6年9月9日公表):景気ウォッチャー調査 近畿(内閣府)

近畿地方の経済動向について、令和6年8月時点での調査結果をもとに、地域ごとの業種別に景気の現状を概観します。近畿地方の小売業やサービス業を中心に、各業種の動向やそれに影響を与えている要因について説明します。百貨店やコンビニエンスストアといった小売業では、全体的に好調な業種と一部で苦戦する業種が混在しており、気象条件やインバウンド需要の影響が大きいことがわかります。

百貨店では、猛暑の影響で日傘やUVケア商品、婦人服などの夏物商材が好調に推移しており、ショップのリニューアルやファミリーイベントの開催も集客増加に貢献しています。来客数が前年を上回り、売上も増加傾向にあります。一方で、スーパーやコンビニエンスストアでも、猛暑や観光客の増加により売上が伸びています。特に、コンビニでは学生や会社員、旅行客の多様なニーズに応える品ぞろえが奏功し、単価の上昇とともに売上が増加していることが特徴です。

化粧品やフレグランスといった商材もインバウンド需要に支えられており、ギフト需要もあって売上が前年比40%増という結果となっています。しかし、メイク商材に関しては、猛暑の影響で秋の新作への需要が減少し、苦戦している部分もあります。さらに、百貨店の高級時計や化粧品といった高額品もインバウンド需要により好調に推移していますが、地震や台風の影響で客足が遠のく場面も見受けられました。

スーパー業界では、イベントや夜間の人出が増え、夜間の来客数が上昇しています。また、地震や台風の備蓄用として飲料水や保存食品が売り切れになるなど、特定の商品が一時的に不足する状況も発生しました。特に、地震への防災意識の高まりが売上増加の要因となり、定番品の売上が堅調に推移しています。米の供給不足も影響し、売上が急増する異常事態が発生する一方で、季節商品である水着や浴衣の売上は、猛暑やコロナウイルス感染症の再拡大により大幅に落ち込んでいます。

家電量販店では、猛暑によりエアコンや冷蔵庫の需要が急増しており、故障による買い替えが進んでいます。また、政府の給湯省エネ事業の影響で、省エネ型給湯器の販売が前年比で大幅に増加しています。省エネ製品に対する需要は引き続き高く、補助金の効果も相まって、夏場にもかかわらず堅調な推移を見せています。

自動車販売業界でも、人気モデルの発売が売上増加に寄与しており、目標を上回る販売量を記録しています。中古車市場も好調で、特に高級車の販売が富裕層を中心に堅調に推移しています。車両価格の上昇もあり、売上全体としては好調です。しかし、全体的な景気動向は、猛暑や自然災害など外部要因の影響を大きく受けていることが見て取れます。

一方で、観光業界では、南海トラフ地震への警戒感から、海水浴客や宿泊客が減少し、売上に大きな影響を及ぼしています。台風の影響もあり、宿泊業者にはキャンセルが相次ぎ、特に海辺の観光業者は大きな打撃を受けています。ホテル業界全体では、インバウンド需要が堅調に推移しているものの、国内客の動きは鈍化しており、特にレストラン部門では節約志向が強まり、客足が減少しているとの報告もあります。

また、求人動向においては、大阪・関西万博の開催に向けた求人が増加しており、派遣業界では新規求人と既存求人がともに増加しています。しかし、賃金と求職者の希望する時給が一致せず、マッチングが進まないといった課題も浮き彫りになっています。高齢者の派遣求人応募が増加しており、50代以上が大半を占める状況です。中小企業では、最低賃金引き上げに対する懸念もあり、求人を出せる企業が限られているという現実もあります。

全体として、近畿地方の経済は猛暑や自然災害の影響を強く受けつつも、インバウンド需要や政府の補助金政策に支えられている業種が多く、特に小売業や家電、観光業では、外部要因による影響を受けながらも堅調な推移を見せています。しかし、業種ごとの格差が大きく、今後も天候や自然災害による影響が続くことが懸念されます。

⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ

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