2024年10月12日
労務・人事ニュース
令和6年8月 香川県の有効求人倍率1.44倍!物価上昇の影響を警戒しながら企業の採用戦略を強化
香川県の雇用情勢 (令和6年8月分)(香川労働局)
香川県の最新の雇用状況について、令和6年8月時点のデータに基づき説明します。この時期の香川県の有効求人倍率は、前月より0.01ポイント上昇し、全国平均の1.23倍を上回る1.44倍となりました。これで157か月連続して1倍以上の水準を維持しており、全国的に見ても第6位という高い位置にあります。また、正社員の有効求人倍率は前年同月比で0.04ポイント上昇し、1.21倍となりました。これも全国平均と同等の1.00倍を上回る結果で、香川県の雇用市場が比較的安定していることを示しています。
この結果を受けて、香川県の雇用情勢に関する判断は「求人が求職を上回って推移しており、緩やかに持ち直している」という評価が据え置かれました。ただし、物価上昇などが今後の雇用情勢に与える影響については注意が必要であり、楽観的に見過ごすわけにはいかないとされています。特に5月には上方修正されたものの、引き続き経済的な不安要素が存在しており、状況が不安定であることが伺えます。
新規求人についても注目すべき点があります。令和6年8月には、前年同月比で2.4%増加し、7,751人の新規求人がありました。この増加傾向は2か月連続で続いており、主に教育、学習支援業や建設業、サービス業(他に分類されないもの)といった産業で増加が見られました。一方で、宿泊業や飲食サービス業、卸売業、小売業、運輸業、郵便業などでは減少が見られ、業種ごとの動きに違いがあることが確認されています。
対して、新規求職者の数は3,004人で、前年同月比12.6%減少しました。これは2か月ぶりの減少であり、特に3月から8月にかけての期間で求職者数が減少傾向にあることが明らかです。この現象は、一部の業種で人手不足が深刻化していることを示しており、求人倍率が高い一方で、働き手の確保に苦労している企業も多いことが推測されます。
香川県の有効求人倍率(季節調整済み値)は1.44倍で、正社員に限った場合でも1.21倍と、全国平均と比較しても高水準です。しかし、これらの数字が必ずしも雇用の質や安定性を示すわけではなく、求職者と求人のミスマッチが生じている可能性も考えられます。特に、物価上昇などの外的要因が企業の採用活動にどのように影響を及ぼすかが今後の焦点となります。
また、香川県では、特に新型コロナウイルス感染症の影響が依然として続いている中で、雇用市場の安定化に向けた取り組みが進められています。過去には、令和5年10月に雇用情勢が下方修正されたこともあり、持ち直しの兆しが見える一方で、一部の業種では雇用の回復に遅れが見られる状況です。特に、宿泊業や飲食業といった観光に関連する産業では、コロナ禍の影響が長引いており、完全な回復にはまだ時間がかかる見込みです。
令和6年8月の新規求人が前年同月比で2.4%増加している一方で、新規求職者数が12.6%減少していることから、求人が増えても求職者がそれに追いついていないという課題も浮き彫りになっています。このような状況を踏まえ、香川県内の企業は、より一層の採用活動の工夫が求められると考えられます。例えば、採用条件の緩和や福利厚生の充実、リモートワークの導入など、求職者のニーズに合わせた柔軟な対応が必要です。
総じて、香川県の雇用市場は全国平均を上回る高い求人倍率を維持しつつも、業種間のばらつきや求職者の減少といった課題に直面しています。今後の雇用情勢においては、物価の動向や経済情勢の不透明さが鍵を握ることとなり、県内の企業もこれに対応した戦略を取ることが重要です。特に、求職者が少ない中で優秀な人材を確保するためには、従来の枠組みに囚われない採用活動が求められています。香川県内の企業が今後も安定的な成長を遂げるためには、こうした柔軟な対応と、労働環境の改善が鍵となるでしょう。
最後に、雇用市場の動向を定期的にモニタリングし、状況に応じた迅速な対応が求められることを忘れてはなりません。香川県の企業が持続可能な成長を遂げるためには、雇用情勢の変化を見極めながら、今後も求職者と求人のバランスを取るための工夫が必要です。
⇒ 詳しくは香川労働局のWEBサイトへ