2024年10月9日
労務・人事ニュース
令和6年8月 高校卒業生の県内就職率が78.1%に上昇、秋田県内の労働市場を解説
令和7年3月新規高校卒業者職業紹介状況[令和6年8月末現在](秋田労働局)
秋田県の労働市場に関する最新のデータを基に、2024年(令和6年)8月末時点の新規高校卒業者の就職状況を詳述します。このデータは秋田労働局が発表したもので、県内外の求人・求職の動向を詳細に分析しています。
まず、2024年3月に卒業予定の高校生の就職希望者数は1,598人で、前年同期から73人(4.8%)増加しました。このうち、県内での就職を希望する生徒数は1,248人で、前年同期比117人(10.3%)増加しています。一方で、県外での就職希望者数は350人となり、前年よりも44人(11.2%)減少しました。こうした数字から、秋田県内での就職希望が増加していることが読み取れます。
2024年8月末時点での県内の求人数は4,560人となり、前年同期から198人(4.2%)減少しました。しかし、県内求人倍率は3.65倍であり、前年からはわずかに0.56ポイント減少したものの、依然として非常に高い水準にあります。これは、秋田県内での求人が豊富であることを示しており、特に建設業や製造業における求人が多いことが特徴です。
産業別に見ると、建設業の求人は1,125人で前年から9人(0.8%)減少しました。製造業では1,410人の求人があり、前年から116人(7.6%)減少しました。また、宿泊・飲食サービス業の求人は178人で前年同期比4人(2.2%)減少しています。一方、サービス業の求人は529人で、前年より21人(4.1%)増加しました。特に、医療・福祉分野の求人は395人で、22人(5.3%)減少しているものの、この分野も依然として高い需要を維持しています。
地域別に見ると、県内での求人は中央地域が2,229人、県北地域が1,235人、県南地域が1,096人と、中央地域が最も多くの求人を抱えています。一方で、県内での就職希望者数は中央地域が616人、県北地域が249人、県南地域が383人となっており、求人に対して就職希望者の数は全体的に不足している状況です。これにより、秋田県内の多くの企業が人手不足に直面していることが明らかになっています。
さらに、職業別の求人動向を見てみると、建設業や製造業、生産工程に関連する職業での求人が依然として高い割合を占めています。特に生産工程の職業においては、求人が1,529人となっており、前年から143人(8.6%)減少しているものの、依然として他の職業に比べて非常に高い需要があることが分かります。また、販売職の求人は352人で前年よりも44人(11.1%)減少しており、サービス業全般の求人も646人と前年よりも5.7%減少しています。
就職希望者に関しては、県内就職希望者の割合が78.1%と、前年同期の74.2%から3.9ポイント上昇しています。これは、秋田県内での就職意欲が高まっていることを示しています。また、県外への就職希望者数は減少しており、県外への流出が減少傾向にあることも伺えます。この背景には、秋田県内の求人が豊富であることや、県内での就職を促進するための各種支援策が功を奏していることが考えられます。
秋田県の就職市場における課題としては、特定の職業や産業での求人が多い一方で、全体的に求人数が減少していることが挙げられます。特に製造業や医療・福祉分野での求人減少は、今後の地域経済にとって大きな課題となる可能性があります。これらの分野では、技術者や専門職の確保が重要であり、地域の経済活性化のためにも、今後はさらに雇用対策を強化する必要があるでしょう。
以上のように、秋田県の労働市場は求人倍率が高いものの、特定の産業や職業での求人減少が課題となっています。特に、県内外での人材の流動性や、地域ごとの求人と求職者数のバランスが今後の課題となるでしょう。
⇒ 詳しくは秋田労働局のWEBサイトへ