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2024年11月15日

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令和6年9月、10カ月ぶりに減少した日本の輸出額:9兆382億円の背景

令和6年9月分貿易統計(速報)の概要(財務省)

令和6年9月分の貿易統計速報が発表され、日本の貿易収支において新たな動向が見られました。9月の輸出額は前年同月比で1.7%減の9兆382億円となり、これは10カ月ぶりの減少です。一方、輸入額は前年同月比2.1%増の9兆3,325億円で、6カ月連続で増加しています。このため、9月の貿易収支は2,943億円の赤字となり、3カ月連続で赤字が続いています。季節調整値では輸出が8兆9,563億円で前月比2.0%増加、輸入は9兆1,435億円で1.2%減少となり、差引額は1,872億円の赤字で、前月比60.3%の赤字縮小が確認されました。

品目別に見ると、輸出では増加した品目もある一方、半導体等製造装置、自動車、建設用機械などが減少し、総体的には減少傾向が顕著です。例えば、自動車の輸出は前年同月比9.2%の減少、建設用・鉱山用機械は33.3%の減少を記録しました。輸入品目では、電算機類(周辺機器含む)や半導体部品などが引き続き増加傾向にあり、医薬品も顕著に伸びています。特に半導体等電子部品の輸入は前年同月比35.6%増加、電算機類は11.4%の伸びを見せており、これが輸入額の増加を牽引しています。

地域別に見ると、対米国の輸出は1兆8,508億円で前年同月比2.4%減少し、2カ月連続で低下しましたが、輸入は1兆82億円で前年同月比6.8%増加しました。このため、米国との貿易収支は8,426億円の赤字で、前月から赤字が拡大しました。対EUとの貿易でも、輸出が前年同月比9.0%減少し、8,493億円となりましたが、輸入は4.5%増加し9,950億円を記録しています。EUとの貿易収支は1,456億円の赤字で、こちらも8カ月連続の赤字が続いています。

アジア地域との貿易動向を見ると、輸出は前年同月比0.3%増の4兆7,369億円で10カ月連続の増加となりました。輸入も3.7%増の4兆6,359億円で6カ月連続の増加を示しています。アジア地域全体との貿易収支は1,010億円の黒字で、8カ月連続の黒字を記録しましたが、黒字額は前年から減少しています。特に対中国貿易においては、輸出が1兆5,055億円で前年同月比7.3%の減少、輸入が2兆1,554億円で1.9%減少しました。この結果、中国との貿易収支は6,499億円の赤字となり、赤字がさらに拡大しています。

為替レートについては、令和6年9月の円相場が1ドルあたり144.27円で、前年同月比で1.5%の円高に転じました。これが一部の貿易数値に影響を及ぼしている可能性があります。

また、9月としての輸出額と輸入額の歴史的な順位も発表され、9月としての輸出額は過去46カ月で2位、輸入額も2位に位置しました。しかし、貿易赤字額については9月としては4位と高い水準で、全体の貿易赤字の拡大が鮮明となっています。

⇒ 詳しくは財務省のWEBサイトへ

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