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2024年11月10日

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令和6年9月末現在、新規高卒者の就職内定率76.2%に上昇!求人倍率も過去最高の2.79倍

令和7年3月新規高卒予定者の求人・求職・就職内定状況について(令和6年9月末現在)(山口労働局)

令和6年9月末現在の山口県における新規高卒予定者の就職内定率は76.2%と発表されました。これは前年同期と比べて0.3ポイントの上昇を示しており、就職状況が改善していることが伺えます。また、県内に校舎を有する生徒の県内就職内定率は75.9%で、こちらも前年同期比0.6ポイントの増加です。これらの数字から、地元での就職希望者が増加傾向にあることが読み取れます。加えて、山口県内のハローワークで受理された求人数は6,366人で、前年同期と比べて0.6%増加しました。一方で、学校またはハローワークを通じて就職を希望する生徒数は2,345人で、前年より3.2%減少しており、就職希望者数自体が減少している中での内定率の改善が確認されています。

産業別の求人動向を見ると、特に運輸業・郵便業において前年同期比16.1%の増加が目立ちました。また、製造業でも3.1%増加しています。これに対し、建設業は5.5%の減少が見られ、業界ごとに異なる求人動向が浮き彫りになっています。製造業内では食料品製造業や化学工業で減少が見られる一方、鉄鋼業や輸送用機械器具製造業などで増加が確認されています。このようなデータから、製造業の中でも特定の分野で需要が高まっていることが示されています。

求人数の推移についても、平成27年度から令和6年度にかけて増加傾向が続いています。令和6年度の求人数は6,366人で、過去10年間で最も多く、求人倍率も2.79倍に達しました。これに伴い、就職内定者数も1,738人と高水準を維持していますが、求職者数自体は減少しているため、就職内定率は76.2%と安定した水準を保っています。

規模別に見た求人状況では、従業員数1,000人以上の企業での求人が前年同期比19.8%増と大幅に増加しており、大企業での採用が積極的に行われていることが伺えます。一方、従業員数30~99人の中小企業では求人が1.8%減少しており、中小企業の採用活動に若干の減退が見られます。これらのデータは、企業規模によって採用活動の活発さに差が生じていることを示しています。

職業別の求人状況においても、専門・技術・管理職や生産工程・労務・技能工等の職種で求人が増加していますが、事務職やサービス職では減少傾向が見られます。特にサービス職では前年同期比4.6%の減少となっており、サービス業界の採用状況がやや厳しいことが浮き彫りになっています。

これらのデータを踏まえると、新規高卒予定者の就職環境は比較的良好であるものの、産業や職種、企業規模によって採用動向には大きな差が見られることが分かります。地元のハローワークや学校を通じた就職支援が継続的に行われている中で、特に地域に根ざした産業や職種での求人が増加している点は、山口県内での定住を希望する若者にとって有望な選択肢となるでしょう。

このような就職環境の変化に対応するためには、企業側も柔軟な採用戦略を取ることが求められます。特に、中小企業が競争力を維持し、優秀な人材を確保するためには、魅力的な労働条件やキャリアパスの提示が重要です。また、専門技術職や生産工程に関わる職種では、即戦力となる人材の確保が優先される傾向にあるため、企業側は研修制度や技術習得の機会を提供することが必要です。

山口県全体の就職内定状況から見て、今後も求人数が増加する可能性が高いと予測されますが、一方で求職者数が減少していることから、各企業は採用活動において工夫が必要です。特に、求人倍率が高い分野では、他企業との競争が激化するため、効果的な採用戦略を立てることが不可欠となります。地域経済の活性化や若者の定住促進に向けて、企業と求職者のマッチングが重要な課題となるでしょう。

⇒ 詳しくは山口労働局のWEBサイトへ

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