2024年10月16日
労務・人事ニュース
令和6年9月 中国地域の景気調査で明らかになった業種別動向、前年比105%の販売増も
景気ウォッチャー調査(令和6年9月調査)― 中国(現状)―(内閣府)
中国地域の経済状況に関するレポートでは、様々な業種における現状が詳細に記載されています。乗用車販売店の営業担当者によると、決算月の影響で来客数が増加しており、成約率も上昇しています。特に新商品や決算セールによる影響が大きく、前年比で105%という販売量の増加が見られています。また、設計事務所においては、相談件数や新規案件の依頼が増加傾向にあり、受注案件の選別が行われるなど、活況を呈しています。
百貨店においても、来客数の増加が見られ、特に催事やイベントの開催時には大幅な伸長が確認されています。営業担当者によれば、週末や連休における来客数が前年を上回っている一方、平日の売上は前年並みとなっており、やや厳しい状況です。特に気温の高さが影響し、晩夏物の売上が引き続き堅調ですが、秋物の販売は鈍化しています。また、来客数が増加しているものの、1人当たりの売上単価には伸び悩みが見られます。
観光業界でも活況が見られます。観光型ホテルでは、秋の観光シーズンに突入し、団体客の利用が増加しています。また、都市型ホテルでは個人客の単価が上昇しており、学会や大会参加者の予約も堅調に推移しています。一方で、宿泊施設の中には、台風など天候不順の影響で客足が減少しているケースもあり、9月の宿泊者数は前年を下回っています。
小売業界では、特に百貨店やコンビニエンスストアにおいて販売量や来客数の変動が見られます。コンビニエンスストアでは、来客数がやや減少傾向にある一方、売上自体は前年並みとなっています。また、スーパーでは敬老の日や秋の催事において売上が伸びているものの、全体的には客単価が低下しており、平日の売上は厳しい状況です。特売商品の販売は堅調ですが、通常商品の売上が伸び悩んでいます。
その他、飲食業界や製造業においても多様な動きが見られます。一般レストランでは、ランチタイムの来客数が前年割れしており、特にサラリーマン層の利用が減少していますが、ディナータイムでは金曜日の利用者が増加し、売上が上昇しています。また、食料品製造業では発注量が前年を上回っているものの、飲食業界全体としては天候不順による売上の低迷が続いています。高級レストランにおいては、景気が芳しくないため、売上が伸び悩んでいます。
製造業では、輸送用機械器具製造業が比較的安定している一方、繊維工業や化学工業など一部の業種では不透明感が漂っています。特に自動車産業においては、米国の政治動向や中国経済の減速が影響しており、生産調整が続いている状況です。
このように、地域全体での経済活動は一部で好調な業種がある一方、全体としては不透明な要素が残っています。特に天候や世界経済の影響を受けやすい業種では、売上や来客数の変動が大きく、慎重な経営判断が求められています。
最後に、雇用関連についてもレポートされています。人材紹介や派遣業においては、求職者の問合せや登録者数が増加している一方、短期求人の需要は減少しています。また、新規求人の受理件数が減少しており、有効求人倍率も低下しています。特に運輸業や飲食業など一部の産業では求人が増加しているものの、全体的な求人状況は依然として厳しい状況が続いています。
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