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2024年10月15日

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令和6年9月 東北地方の消費低迷と物価上昇、厳しい景気回復への道

景気ウォッチャー調査(令和6年9月調査)― 東北(現状)―(内閣府)

東北地方における最新の景気状況は、地域経済や業種ごとにさまざまな変化が見られます。調査によると、全体としては一部の業界で好調な動きを見せる一方、依然として厳しい状況が続いている業種も多く存在しています。特に消費マインドの停滞が続いており、物価高や自然災害などの影響が東北の経済活動に少なからず影響を及ぼしています。

小売業界においては、7月に大型商業施設が開業したことにより、特に週末の来客数が増加しているとの報告がありましたが、全体的な売上は横ばい状態にあります。飲食業界では増加傾向が見られる一方、衣料品関連は依然として苦戦を強いられています。さらに、スーパーにおける米の販売量は前年比250%と大幅に増加しましたが、米不足の影響もあり、顧客の購買行動に変化が生じています。

一方、車の販売においては、新たな認証問題が解決された車種の販売が再開され、徐々に受注が増加しているとの報告がありました。また、住宅関連の専門店でも受注が増加し、それに伴い販売量も増加しています。これに対し、一般的な小売業では、暑さの影響で夏物商品の売れ行きが好調ですが、残暑や悪天候の影響で観光客のキャンセルが相次ぎ、予想以上に厳しい状況に陥っています。

百貨店やスーパーでも、売上の不調が続いています。特に食品関連は引き続き低迷しており、顧客の消費意欲が高まらない状態です。一部の百貨店では、季節の変わり目に対応した衣料品の販売が活発化しつつあるものの、消費者の生活防衛意識が強まっており、売上は思うように伸びていません。さらに、スーパーでは値上げが続いているものの、販売点数や客単価の回復が見られず、消費の低迷が続いています。

観光業界においても、天候不良や災害によるキャンセルが多く発生し、特に台風の影響で観光客の予約が伸び悩んでいるとの報告がありました。さらに、観光型ホテルや旅館でも連休の際には来客数が増加しましたが、平日の来客数は低調なままで、全体として厳しい状況が続いています。

通信業界では、若者を中心にテレビ離れが進行しており、新規加入者数が減少していると報告されています。また、インターネットサービスにおいても競合他社への乗り換えが増えており、顧客の動向が鈍化しているとのことです。さらに、通信機器メーカーからは、半導体関連の取引先からの開発投資が増加しているものの、実際の契約に至るまでには時間がかかっているとの報告がありました。

飲食業界でも、残暑の影響で冷たい飲み物や夏物商材の売上が好調ですが、全体的な売上は昨年をわずかに下回っている状況です。また、レストランでは来客数の増加が見られるものの、客単価の伸び悩みが続いており、特に大口顧客が多く訪れた場合のみ売上が増加するという偏った傾向が続いています。

建設業界では、受注量が順調に推移しているものの、人手不足が続いており、全ての仕事に対応しきれていない状況が報告されています。さらに、住宅販売業では、安価な規格住宅や建売住宅が多く、客単価が低いことが課題となっています。また、住宅設備機器のリフォーム市場では、生活必需品の相次ぐ値上げにより、節約志向が高まり、緊急以外の工事が先送りされるケースが増えています。

人材市場においても、求人の動向に変化が見られます。特に交通誘導や派遣求人の増加が報告されており、飲食業や物流倉庫などの業界で人手不足が続いている一方で、畜産業や建設業では経営が厳しい状況にある企業も出始めています。さらに、派遣会社では求職者の動きが活発であるものの、採用要件として経験者が求められる傾向が強く、採用側とのミスマッチが生じています。

このように、東北地方の景気状況は業種ごとに大きく異なり、消費者の節約志向や自然災害の影響が顕著に表れています。今後も地域経済の回復には時間がかかると予想されており、各業界においても課題が山積している状況です。特に、物価上昇や人手不足、消費者の消費意欲の低下などが大きな課題として挙げられ、これらを解決するための対策が急務となっています。

⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ

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