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2024年12月16日

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令和6年9月 被保護実人員が2,007,830人に減少、前年同月比で0.6%減

被保護者調査(令和6年9月分概数)(厚労省)

令和6年12月4日、厚生労働省は令和6年9月分の生活保護の被保護者調査結果を公表しました。この調査結果は、国民の生活状況や社会福祉制度の現状を示す重要なデータであり、政策策定や支援施策の見直しにおいて重要な役割を果たします。今回の結果では、被保護実人員、被保護世帯数、保護申請件数、保護開始世帯数などが分析されており、前年同月との比較が行われています。

調査によると、令和6年9月の被保護実人員は2,007,830人であり、前年同月比で12,844人、率にして0.6%の減少となりました。この減少は、生活保護を受給する人口が減少傾向にあることを示しています。同様に、被保護世帯数は1,650,802世帯となり、前年同月比で385世帯、率にしてほぼ横ばいの減少が見られます。これらのデータは、社会全体の高齢化や雇用環境の改善など、さまざまな社会的要因が影響している可能性があります。

保護の申請件数は21,832件で、前年同月比で188件、率にして0.9%増加しました。一方で、保護の開始世帯数は18,482世帯で、前年同月比で321世帯、1.7%減少しています。このデータからは、新たに生活保護を申請する人がわずかに増加している一方で、保護が実際に開始される世帯数は減少していることが分かります。この背景には、申請プロセスの厳格化や地域ごとの対応方針の違いが影響している可能性が考えられます。

さらに、世帯構成別のデータでは、高齢者世帯が全体の55.2%を占めており、最も大きな割合を占めています。一方で、母子世帯は3.8%、障害者・傷病者世帯は25.1%、その他の世帯が15.9%となっています。このデータから、生活保護の受給者層が多様であることが改めて確認されました。特に高齢者世帯の割合が過半数を超えていることは、高齢化社会の進行を反映した結果であると言えるでしょう。

人口100人当たりの保護率は1.62%で、前年同月比では変化がありませんでした。この数字は、全国的に見た生活保護の普及状況を示しており、地域ごとの社会福祉制度の運用における比較の基準ともなります。また、世帯構成の変化として、高齢者単身世帯が依然として多い一方で、2人以上の世帯や母子世帯の割合が若干減少している点にも注目が集まります。

今回のデータは、政策立案者や社会福祉関係者にとって、今後の生活保護制度の方向性を考えるための重要な材料となるでしょう。例えば、単身高齢者への支援の強化や、障害者・傷病者世帯へのさらなる施策の必要性が浮き彫りとなっています。また、保護申請件数が増加している一方で、保護開始世帯数が減少している状況を踏まえ、申請プロセスの改善や受給者のニーズに応じた柔軟な対応が求められています。

政府は、生活保護制度が必要な人々に適切に届くよう、制度の運用改善を進める必要があります。また、地方自治体や関連機関との連携を深め、地域ごとの課題に即した施策を展開することが求められます。これにより、生活保護受給者の生活の安定と自立支援が一層促進されることが期待されます。

この調査結果は、生活保護制度の現状を明らかにするとともに、今後の政策の方向性を示唆するものです。政府統計の総合窓口(e-Stat)で詳細なデータが公開されていますので、関心のある方はぜひ確認してください。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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