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2025年3月14日

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令和7年の労働災害速報、死亡者数44人に増加!

令和7年における労働災害発生状況について(2月速報値)(厚労省)

令和7年2月の労働災害発生状況に関する速報値が発表され、前年同期と比較して多くの点で増加が見られることが明らかになりました。特に死亡災害の件数が増加傾向にあり、労働安全対策のさらなる強化が求められています。

まず、死亡災害の発生状況について見ると、全体の死亡者数は44人となり、前年同期比で7人増加し、18.9%の増加率となりました。業種別に見ると、製造業での死亡者数は8人で前年より3人減少、27.3%の減少率を記録しました。一方で建設業では11人の死亡者が報告されており、前年と比べて1人減少し、8.3%の減少となっています。林業では2人の死亡者が発生し、前年と同数でした。大幅な増加が見られたのは陸上貨物運送事業と第三次産業で、それぞれ9人と12人の死亡者が報告され、前年同期比で125.0%増加、71.4%増加という顕著な増加率が記録されました。

事故の発生要因別に分析すると、最も多かったのは墜落・転落による死亡事故で12人が亡くなり、前年より1人減少しましたが依然として多くの被害が発生しています。特に増加が顕著だったのは交通事故(道路)で、11人が死亡し、前年の4人から7人増加、175.0%の増加率を記録しました。また、はさまれ・巻き込まれによる事故は6人で、前年より3人減少し、33.3%の減少となりました。

次に、休業4日以上の死傷災害の発生状況について見てみると、全体の死傷者数は4,400人で前年より351人増加し、8.7%の増加率となりました。業種別に見ると、製造業では952人が死傷し、前年より77人増加し8.8%の増加となりました。建設業では487人が死傷し、前年より62人増え14.6%の増加を記録しました。陸上貨物運送事業では586人が死傷し、前年より6人減少し、1.0%の減少となっています。一方で第三次産業では2,066人が死傷し、前年より205人増加し、11.0%の増加率となりました。

事故の型別では、最も多く発生したのが転倒による事故で1,532人が負傷し、前年より191人増加し、14.2%の増加となりました。墜落・転落による事故は718人で、前年より50人増加し、7.5%の増加率でした。はさまれ・巻き込まれによる事故は464人で、前年より6人増え、1.3%の増加となっています。

このデータから明らかなのは、全体として労働災害が増加傾向にあることです。特に死亡事故においては、陸上貨物運送事業と第三次産業における急増が目立ち、特に交通事故の急増が深刻な問題となっています。また、転倒や墜落・転落による負傷者が多いことから、職場環境の安全対策の強化が必要であることがわかります。企業の採用担当者にとっても、このようなデータを踏まえた安全管理の強化が重要な課題となります。新たな雇用の際には、安全教育の徹底や労働環境の改善を進めることで、従業員の安全を確保し、労働災害のリスクを低減することが求められます。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ