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2025年2月28日

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令和7年度の国土交通省登録資格402種類が公開、技術者採用の新たな指標とは

新たに13の民間資格を登録します! ~「令和6年度 公共工事に関する調査及び設計等の品質確保に資する技術者資格」の登録~(国交省)

国土交通省は、社会資本の維持管理および更新を適切に実施するため、技術者の能力評価制度を導入し、技術力を証明する民間資格を「国土交通省登録資格」として認定してきた。この制度は平成26年度から開始され、すでに389の資格が登録されている。今回、新たに13の資格が追加登録され、同時に82の資格が更新されたことで、登録資格の総数は402に達した。

この制度の目的は、公共工事の品質確保の観点から、点検・診断を担当する技術者の能力を評価し、適切な人材が業務に従事できるようにすることである。国や地方公共団体が発注する業務において、これらの資格保有者は総合評価落札方式において加点評価されるなど、積極的な活用が進められている。また、地方自治体での活用を促進するため、さらなる周知も図られる予定だ。

国土交通省登録資格制度は、平成26年に改正された「公共工事の品質確保の促進に関する法律(品確法)」に基づき、公共工事に関連する調査や設計業務の品質向上を目的に導入された。社会資本の老朽化が進む中、点検や診断を行う技術者の専門性の向上が求められており、この制度により一定水準の技術力を持つ技術者の認定が行われている。これまでの登録数は着実に増加しており、今回の追加登録を含め、累計で402の資格が認められている。

これまでの経緯を振り返ると、平成27年に最初の登録資格50件が公表され、その後も継続的に登録資格数が拡充されてきた。平成28年には111資格が追加され、平成29年には50資格、平成30年には40資格が新たに登録された。その後も毎年登録数の増加や更新が行われ、令和6年2月時点で389資格に達していた。そして今回、令和7年2月に13資格が追加登録され、令和2年に登録された82資格の更新が行われたことで、登録資格の合計は402となった。

今回新たに登録された資格には、樹木医や水道浄水施設管理技士などが含まれる。また、BIM/CIM管理技士というデータ管理に特化した資格も新たに加わった。これにより、土木やインフラ分野の技術者だけでなく、情報管理やデジタル技術を活用する分野の専門家も制度の対象となった。

この資格制度の導入により、公共工事に関わる業務の品質向上が期待される。特に、総合評価落札方式において資格保有者が加点評価される仕組みがあるため、企業にとっては資格を持つ技術者を確保することが競争力の向上につながる。さらに、地方自治体においても資格保有者の活用が進めば、インフラ整備や維持管理業務の効率化が可能になると考えられる。

今後、国土交通省はこの制度のさらなる普及を図るとともに、資格制度の見直しや新規登録資格の拡充を続ける方針を示している。技術者の育成と活用が進めば、公共工事の品質向上だけでなく、長期的なインフラの維持管理にも貢献することが期待される。

企業の採用担当者にとって、この資格制度は技術者のスキルを客観的に評価する重要な指標となる。特に公共工事に関わる企業にとっては、登録資格を持つ技術者を採用することで、業務の受注機会を増やすことができる。今後の採用戦略において、これらの資格を持つ人材の確保はますます重要になるだろう。

このような背景から、企業は登録資格を持つ技術者の確保を積極的に進めるべきであり、人材育成の観点からも従業員に資格取得を奨励することが求められる。公共工事の品質確保が求められる中で、専門資格を持つ技術者の需要は今後さらに高まることが予想される。

⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ