2025年2月26日
労務・人事ニュース
令和7年春季全国火災予防運動が3月1日から全国で開始!住宅火災1万件超えを防ぐための最新対策とは?
令和7年春季全国火災予防運動の実施(総務省)
令和7年3月1日から7日までの1週間、全国各地で春季全国火災予防運動が実施される。この運動は、火災が発生しやすい季節において、火災予防意識の向上を図り、火災の発生防止を徹底することを目的としている。特に、住宅火災の増加傾向や高齢者の被害が深刻化している現状を踏まえ、住宅防火対策の強化が求められている。また、阪神・淡路大震災から30年が経過した現在でも、地震による電気火災のリスクが高いことから、感震ブレーカーの普及推進が重要な課題となっている。
住宅火災の件数は平成17年以降減少を続け、令和2年には1万件を下回ったが、令和3年以降再び増加に転じた。さらに、令和5年には住宅火災による死者が9年ぶりに1,000人を超え、そのうち65歳以上の高齢者が7割以上を占めている。この状況を受け、住宅用火災警報器の設置と適切な維持管理、安全装置付きの火気使用器具の普及、電気火災防止のための広報活動を強化する必要がある。特に、高齢者の単独世帯では火災発生時の避難が困難であるため、地域ぐるみでの見守りや、住宅の防火設備の点検・改善が求められる。
一方で、大規模地震発生時の火災リスクにも注意が必要である。過去の大地震では、電気が原因となる火災が多数発生しており、特に停電復旧後に出火するケースが多い。これを防ぐために、感震ブレーカーの設置が有効とされている。感震ブレーカーには分電盤タイプ、コンセントタイプ、簡易タイプなどがあり、地震発生時に自動で電気を遮断することで火災を未然に防ぐことができる。また、停電後の復電時には、電気機器やコードの破損がないか十分に確認し、異常を感じた場合はすぐに使用を中止することが重要である。
春季には、乾燥した気候や強風の影響で林野火災の発生リスクが高まる。行楽シーズンの到来とともに山林に入る人が増え、また、農作業による枯草焼きなどが原因で火災が発生しやすくなる。林野火災を防ぐためには、たき火をしない、火の使用中はその場を離れない、強風時や乾燥時には火の使用を控えるといった基本的なルールを徹底することが必要である。さらに、駅や登山口、学校などに警報旗や火災予防ポスターを掲示し、広報活動を強化することも重要である。消防機関と関係機関が連携し、山火事発生のリスクが高まる時期にはパトロールを強化し、予防対策を徹底することが求められる。
また、車両火災の予防についても、春季全国火災予防運動と同時に強化される。駅舎やトンネルにおける防火安全対策の徹底、危険物の車両内への持ち込み禁止、たばこの投げ捨て防止など、基本的な防火対策の周知が進められる。特に、キッチンカーなど火気を使用する車両においては、設備の点検や消火器の適切な管理が必要不可欠である。また、トンネル内での火災発生時には迅速な避難が求められるため、通報や初期消火の訓練を実施し、関係機関との連携を強化することが推奨される。
火災予防運動の一環として、各地域の消防機関は住宅・林野火災に関する広報活動を強化し、住民への啓発を行う予定である。住宅防火に関するリーフレットや防火標語ポスターを活用し、火災の危険性と予防策についての認識を深めることが狙いである。また、火災発生時の初期対応や避難の重要性についての訓練を実施し、地域住民の防災意識を高めることも重要である。
このように、令和7年春季全国火災予防運動では、住宅火災、地震火災、林野火災、車両火災の各分野における防火対策の強化が図られる。特に高齢者の住宅火災被害を減らすための取り組みが求められており、住宅用火災警報器の普及や適切な管理が鍵となる。また、大規模地震時の火災対策として、感震ブレーカーの普及が促進され、火災リスクの低減が図られる予定である。林野火災や車両火災についても、火の取扱いに関する啓発活動を強化し、未然に防ぐための対策が進められる。全国各地で実施されるこの運動を通じて、一人ひとりが火災予防に関する意識を高め、日常生活の中で火災リスクを減らす取り組みが求められている。
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