2025年1月1日
労務・人事ニュース
令和7年3月まで情報募集中、フード取引実態に迫る公正取引委員会
(令和6年12月20日)フードサプライチェーンにおける商慣行に関する実態調査の中間結果及び情報の募集について(公正取引委員会)
公正取引委員会は、令和6年12月20日、飲食料品の製造業者や卸売業者、小売業者間の取引実態に関する調査の中間結果を発表しました。この調査は、フードサプライチェーンにおける商慣行を独占禁止法の「優越的地位の濫用」という観点から検証するもので、同年9月に開始されたWebアンケート調査を中心に進められています。
この調査では、小売業者による不当な返品や受領拒否、製造業者に対する過剰な負担の押し付けなど、フードサプライチェーンにおいて発生し得る問題行為が対象とされています。具体的には、需要予測を超えた大量発注後に売れ残った商品を不当に返品する行為や、返品にかかる輸送や廃棄コストを製造業者側に一方的に負担させる行為が挙げられています。また、いわゆる「3分の1ルール」を理由に納品を拒否したり、自然災害や悪天候による納品遅延にもかかわらず製造業者に補償金を求める行為も含まれます。
現在、公正取引委員会は、この調査をさらに深めるため、関係事業者に対する詳細なヒアリングを計画しています。ヒアリング対象外の事業者からも幅広い情報を得るため、公正取引委員会のウェブサイトには情報提供フォームが設置され、令和7年3月31日午後6時まで情報の受付を行っています。このフォームを通じて、具体的な問題事例や取引慣行に関する情報を広く募集し、調査結果の精度を高めることを目指しています。
調査の最終報告書は令和7年6月頃を目標に公表される予定です。この報告書では、フードサプライチェーンにおける取引慣行の適正化を図るための提言がまとめられます。さらに、独占禁止法に違反する可能性のある行為が確認された場合には、それを公表し、関係者間での理解と周知を図る方針です。
公正取引委員会は、今回の調査を通じて、取引の公正性とフードサプライチェーン全体の透明性向上を目指しています。特に中小の製造業者や卸売業者が安心して事業を行える環境を構築し、全体的な競争力の向上と消費者への利益還元を促進することを重視しています。関係者や広く一般の方々の協力が、この取り組みの成功に向けた重要な鍵となります。
⇒ 詳しくは公正取引委員会のWEBサイトへ