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2024年9月3日

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令和7年3月卒業予定者向け求人5,497人、前年比0.9%増の岩手県労働市場

令和7年3月新規高等学校卒業予定者対象求人受理状況(令和6年7月末日現在)(岩手労働局)

岩手労働局が発表した令和7年3月新規高等学校卒業予定者の求人受理状況は、県内の雇用情勢を知る上で非常に重要なデータとなっています。この発表によれば、令和6年7月末日現在での求人数は5,497人に達し、前年同期比で51人、率にして0.9%の増加を示しました。この増加は、県内主要産業における求人動向や労働市場の変化を反映しています。

まず、産業別に求人数を見てみると、最も多いのは製造業であり、全体の35.5%を占める1,952人の求人がありました。これに次ぐのは建設業で1,121人(全体の20.4%)、そして卸売・小売業が668人(全体の12.2%)という結果となっています。これらの産業は、岩手県の経済基盤を支える重要な分野であり、それぞれの分野での求人増加が地域経済の安定に寄与していると言えます。

特に注目すべきは、製造業の求人数が前年と比較して0.2%減少したものの、依然として最も多くの求人を提供している点です。製造業の中でも、例えば輸送用機械器具製造業では前年同期比67.1%の大幅な増加を記録し、これが全体の求人増加に寄与しています。一方で、宿泊業や飲食サービス業では16.8%の減少が見られ、観光業界の厳しい状況が浮き彫りになっています。これは、観光客の減少や外出自粛などの影響が続いているためと考えられます。

また、県内全体での求人倍率は3.30倍となり、前年同期比で0.08ポイントの低下が見られました。これにより、求職者にとってはやや厳しい状況となっています。求職者数は全体で2,164人、前年同期比で52人(2.5%)の増加となり、特に県内の求職者数が1,664人で前年同期比51人(3.2%)の増加を示しました。この背景には、県内企業の求人意欲が高まっている一方で、若年層の人口減少や都市部への流出が続いていることが影響していると考えられます。

岩手労働局では、こうした状況を受けて、生徒一人ひとりが適職を選択できるよう、企業情報の発信や就職ガイダンスの実施などを通じて支援を強化しています。また、企業による選考開始は9月16日からとなっており、それに先立ち、学校から企業への生徒の応募書類提出は9月5日から始まります。このようなスケジュール設定は、各企業が優秀な人材を確保するための重要な機会となります。

さらに、各地域の求人数を見てみると、盛岡市が最も多く1,708人の求人があり、次いで水沢市が794人、北上市が763人と続いています。特に水沢市では前年同期比で15.9%の大幅な増加が見られ、地域経済の活性化が進んでいることが窺えます。一方で、一関市や釜石市では求人が減少しており、地域ごとに経済状況にばらつきがあることがわかります。

岩手労働局は、今後も県内企業と連携しながら、地域に根ざした求人確保の取り組みを推進していく予定です。このような努力を通じて、若年層が安心して地元で就職し、地域社会に貢献できる環境を整備することが期待されています。

⇒ 詳しくは岩手労働局のWEBサイトへ

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