2025年4月7日
労務・人事ニュース
令和7年4月から雇用保険料率が14.5/1,000に引き下げ、労働者と企業双方の負担を軽減
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最終更新: 2025年4月30日 21:01
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厚生労働省関係の主な制度変更(令和7年4月)について 雇用保険料率の改定(厚労省)
令和7年4月1日から令和8年3月31日までの期間、雇用保険制度における保険料率が改定されることが正式に発表されました。この改定により、一般の事業においては、失業等給付に係る保険料率が従来の6.0/1,000から5.5/1,000へと0.1ポイント引き下げられることとなり、労働者と事業主の双方にとって実質的な負担軽減が図られる内容となっています。今回の変更は、昨今の雇用保険財政の安定や失業率の改善傾向、また積立金残高の水準などを総合的に勘案して決定されたものであり、雇用政策の安定性と柔軟性を両立させる観点からも重要な施策と位置づけられます。
この保険料率の見直しは、被保険者と事業主が分担して納付している雇用保険料の合計率に直接影響を与えるものであり、令和7年度における雇用保険料率は、一般の事業の場合で総合計14.5/1,000となります。内訳としては、労働者負担分が5.5/1,000、事業主負担分が9.0/1,000となっており、前年度と比較してそれぞれ0.5/1,000および0.5/1,000の引き下げが行われる形です。特に労働者側の負担軽減は、実質賃金の減少傾向が続く中で、可処分所得の維持や生活支援の一環としても意義が大きいといえます。なお、雇用保険二事業に係る保険料率は事業主のみが負担する形をとっており、こちらについては一般の事業で3.5/1,000、建設業については4.5/1,000と変更はありません。
農林水産業および清酒製造業、ならびに建設業については、業種の特性や労働市場における構造的課題を反映して、基本の保険料率がそれぞれ異なる水準に設定されています。たとえば農林水産業では労働者負担が6.5/1,000、事業主負担が10/1,000、建設業では労働者負担が6.5/1,000、事業主負担が11/1,000とされ、いずれも前年度に比べて0.5ポイントの引き下げとなっています。これらの業種は人材確保が難しいとされる一方で、労働災害や季節要因による雇用変動の影響も大きく、政策的な調整が必要とされる領域であるため、今回の料率引き下げはこうした業界特有の事情に対する一定の配慮がなされたものと解釈できます。
今回の保険料率の引き下げは、事業主にとっても人件費の抑制という面で実質的なメリットをもたらします。特に、給与総額が大きな企業や、非正規雇用を多く抱える業態においては、年間の保険料支出において数十万円から数百万円単位でのコスト削減が見込まれるケースも想定されます。また、労働者側にとっても、毎月の給与明細上における控除額が抑制されることで、可処分所得の増加に直結し、消費活動の喚起や家計の安定にもつながる可能性があります。こうした双方への恩恵を通じて、雇用環境全体の健全化が進むことが期待されます。
さらに、今回の改定は単なる数字の変更にとどまらず、雇用保険制度の持続可能性に対する国の姿勢を示すものでもあります。雇用保険財政は、コロナ禍以降に急増した給付支出を背景に一時的に逼迫する局面もありましたが、景気回復基調の中で雇用情勢が改善し、保険財政も一定の安定を取り戻しつつあります。このような状況を踏まえ、国は慎重な財政運営のもとで保険料率の調整に踏み切った形であり、今後も社会経済情勢に応じて弾力的な制度運用が続けられる見通しです。将来的には、さらに低い保険料率の実現や、育児・介護に関連する給付制度の拡充が検討される可能性もあり、企業としては制度の動向に継続的に注目しておくことが重要です。
この保険料率の引き下げは、企業の採用戦略や人材定着施策にも一定の影響を与える可能性があります。特に労働者にとっては、同じ給与水準でも手取りが増えることで、より「働きやすい職場」「生活にゆとりがある職場」として企業の魅力度が高まることが予想されます。また、採用広報においても「雇用保険料が引き下げられた今がチャンス」といった形でアピールポイントに活用することが可能です。企業がこうした制度改正を積極的に伝えることによって、求職者との信頼関係構築や採用競争力の強化にもつながっていくでしょう。
加えて、人事・労務管理部門では、給与計算システムの更新、就業規則・社内報等の情報更新、労働者への案内や説明資料の整備といった実務的対応が求められます。特に、給与明細上での保険料表示や、年末調整、労働保険の年度更新手続きに関する社内研修なども併せて行うことが推奨されます。労使双方が制度内容を正確に理解し、適正な運用がなされることで、職場環境の安定と信頼構築に資するものとなります。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ