2024年4月23日
労務・人事ニュース
企業代表の住所を秘匿する新制度、2023年10月よりスタート!
代表取締役等住所非表示措置について(法務省)
令和6年10月1日より、新しい法制度が施行されます。これにより、株式会社の代表者の住所情報が公的な記録に完全に記載されなくなる場合があります。この制度は、法務省令第28号に基づき導入されたもので、特定の要件を満たす企業に適用されます。
この新制度の主な目的は、代表取締役やその他の指定役員のプライバシーを保護することにあります。登記事項証明書やその他の公的記録では、役員の住所が最小行政区画までしか記載されなくなるため、完全な住所は非表示となります。これにより、インターネットを通じて一般に公開される情報が制限されます。
しかし、この措置にはいくつかの考慮事項が伴います。例えば、住所情報が不完全であることから金融機関の融資や不動産取引の際に追加の書類が必要となることが予想されます。そのため、制度の利用を決定する前には、その影響について慎重に検討することが求められます。
申出の手続きには、特定の条件が設けられています。申出は、代表取締役等の住所が登記される際に限り、登記申請と同時に行う必要があります。また、申出には所定の書面が必要とされ、これには株式会社の状況に応じた様々な書類が含まれます。
上場会社の場合と非上場会社の場合で必要な書類が異なり、場合によっては過去に同様の措置が講じられている場合には一部の書類が不要になることもあります。
また、制度は永続的なものではありません。代表取締役等から住所非表示措置を望まない旨の申出があった場合や、特定の条件に該当する場合には、登記官により措置が解除されることもあります。
この制度の導入は、企業の運営において新たな選択肢を提供し、代表者のプライバシー保護に一定の配慮を加えるものですが、それには様々な影響が伴うため、利用前には十分な検討が必要です。
⇒ 詳しくは法務省のWEBサイトへ