2024年9月3日
労務・人事ニュース
佐賀県 令和7年卒業予定の新規高卒者の求人倍率が2.29倍、製造業・建設業が引き続き高い採用意欲を示す
令和7年3月新規高卒者の求人・求職状況について(令和6年7月末現在)(佐賀労働局)
令和7年3月に卒業予定の新規高卒者を対象とした求人および求職状況が、令和6年7月末時点で発表されました。この調査は、佐賀新卒者等人材確保推進本部が行ったもので、県内の新卒者がどのような雇用状況にあるかを詳細に把握するためのものです。この調査結果は、企業の採用戦略を立てるうえで非常に重要なデータとなり、今後の雇用動向を予測するうえで有用な情報を提供しています。
まず、求人倍率は2.29倍となり、前年同期から0.07ポイント低下しましたが、平成9年度以降では過去2番目に高い水準を維持しています。これは、県内の企業が引き続き高卒者を積極的に採用しようとしていることを示しています。求人倍率が高いということは、企業側が新卒者に対して多数の求人を出している一方で、求職者側が少ないため、求職者にとっては有利な状況が続いていると言えます。
具体的な求人数について見ると、令和6年7月末時点での求人数は4,317人で、前年同期から5人増加しました。これは、平成9年度以降では最高の求人数となっており、企業の採用意欲が非常に高いことを表しています。産業別に見ると、製造業が1,442人と最も多く、次いで建設業が909人、医療・福祉が620人となっています。また、特に建設業では前年同期比で34人(3.9%増)、生活関連サービス業・娯楽業では28人(25.0%増)、運輸業・郵便業では25人(21.2%増)といった増加が見られました。これらの業種は、今後も高い採用ニーズが続くことが予測されます。
職業別では、技能工、採掘、製造、建築従事者が2,053人と最も多く、次いでサービス職業従事者が886人、専門的・技術的・管理的職業従事者が656人となっています。特に販売従事者は前年同期比で46人(17.8%増)、専門的・技術的・管理的職業従事者は44人(7.2%増)と大幅に増加しており、これらの職種においても採用ニーズが高まっていることが伺えます。
一方、令和7年3月に卒業予定の就職希望者数は7,429人で、前年同期比で302人(4.2%増)と増加しています。そのうち、学校や公共職業安定所を通じて紹介を希望する就職希望者数は1,887人で、前年同期比で59人(3.2%増)となっています。特に県内就職を希望する者は1,286人で、前年同期比で82人(6.8%増)と大幅に増加し、県内就職希望率は68.2%と前年同期比で2.3ポイント上昇しました。これは、地元での就職を希望する若者が増えていることを示しており、企業側にとっても地元の人材を確保する好機となるでしょう。
一方で、自己就職を含めた就職希望者数は2,094人で、前年同期比で47人(2.3%増)となり、卒業予定者全体に占める割合は28.2%とやや減少しました。これは、若干ではありますが、自己就職の割合が減少傾向にあることを示しています。
これらのデータを踏まえると、佐賀県内の企業は引き続き高卒者の採用を強化する必要があると言えます。特に、製造業や建設業、医療・福祉分野においては、今後も多くの人材を必要とすることが予想されるため、企業側は早期に採用活動を開始し、優秀な人材を確保することが求められます。また、地元での就職を希望する若者が増えていることから、地域に密着した採用活動や、地元の魅力を発信する取り組みも重要となります。
企業はこの機会を活かし、若者たちにとって魅力的な職場環境を提供することで、優秀な人材の確保に努めるべきです。また、労働市場の動向を注視し、適切なタイミングで採用戦略を見直すことも重要です。特に、求人倍率が高い状況が続いているため、競争が激化することが予想されます。これに対応するためには、柔軟な採用手法や、求職者のニーズに応じた働き方の提供が求められるでしょう。
⇒ 詳しくは佐賀労働局のWEBサイトへ