労務・人事ニュース

  • TOP
  • お知らせ
  • 労務・人事ニュース
  • 佐賀県 令和7年卒高卒者の就職内定率93.1%!求人倍率2.40倍で人材確保がカギ(令和6年12月時点)

2025年2月18日

労務・人事ニュース

佐賀県 令和7年卒高卒者の就職内定率93.1%!求人倍率2.40倍で人材確保がカギ(令和6年12月時点)

令和7年3月新規高卒者の求人・求職・内定状況について(令和6年12月時点)(佐賀労働局)

令和7年3月に卒業予定の新規高卒者を対象とした求人・求職・内定状況について、佐賀新卒者等人材確保推進本部より最新の調査結果が発表された。この調査は令和6年12月末時点でのデータを集計したもので、県内外の企業がどのように高卒者の採用を進めているのかが示されている。

今回の調査によると、就職を希望する新規高卒者の数は1,881人で、前年同期と比較すると35人増加している。そのうち県内での就職を希望する生徒は1,246人、県外を希望する生徒は635人となっており、県外志向の増加が見られる。一方、すでに内定を得た生徒の数は1,752人に達し、就職内定率は93.1%と高い水準を維持しているものの、前年同期比で0.6ポイント減少したことが分かった。県内就職の内定率は91.3%、県外就職の内定率は96.9%で、県外就職の方がやや高い傾向にある。

未内定の生徒は129人おり、前年同期と比較すると13人増加した。このうち県内の未内定者は109人、県外は20人となっている。佐賀新卒者等人材確保推進本部では、未内定の生徒に対してハローワークを通じた求人開拓や個別支援を強化し、早期の就職決定を目指す取り組みを行うとしている。

求人状況を見てみると、佐賀県内の公共職業安定所に登録された求人数は4,512人で、前年同期比では46人減少したものの、高い水準を維持している。産業別や職種別の傾向は前月とほぼ変わらず、製造業やサービス業などで引き続き高卒者の採用が進められていることが分かる。求人倍率は2.40倍で、前年同期比で0.07ポイント低下したが、平成9年度以降では2番目に高い水準となっている。これは企業側の人材確保の意欲が依然として高いことを示している。

近年、高卒者の就職市場は安定した需要があるものの、県内就職と県外就職のバランスには変化が見られる。特に県外就職の内定率が高い点からも、都市部や他県の企業による積極的な採用活動が行われていることが推察される。また、就職希望者の増加に伴い、県内企業が高卒者を引きつけるためには、給与や福利厚生の充実、キャリアアップの明確な制度設計などが求められる。

企業の採用担当者にとって、現在の高卒者の就職動向を理解することは、人材確保の戦略を立てるうえで重要である。特に県内企業では、求人倍率が高いことから、採用活動を強化しなければ優秀な人材を確保することが難しくなる可能性がある。求職者に対してより魅力的な条件を提示することはもちろんのこと、企業説明会やインターンシップなどを活用し、企業の魅力を直接伝える機会を増やすことも重要なポイントとなる。

また、未内定の生徒が前年よりも増加していることを考慮すると、企業側が柔軟な採用基準を設け、個別の事情に対応できる体制を整えることが求められる。例えば、職業訓練や企業研修を通じて実務経験を積ませる仕組みを作ることで、未経験者でも安心して働ける環境を提供することができる。特に中小企業では、大企業と比べて採用競争が激しくなるため、こうした施策の重要性が増している。

一方、求職者側も、自身の希望に合った企業を見つけるためには、積極的に情報収集を行い、職場見学やインターンシップなどに参加することが重要である。近年では、企業側がSNSや動画コンテンツを活用して採用情報を発信するケースも増えており、そうしたメディアを活用することで、より具体的な職場環境を知ることができる。

総じて、高卒者の就職市場は依然として堅調であり、企業と求職者双方にとって良い機会が広がっている。しかし、企業側は採用戦略を見直し、求職者にとってより魅力的な環境を提供することが求められる。また、求職者も自ら積極的に動き、適切なキャリアを築くための努力をすることが重要である。

今後も、労働市場の動向を注視しつつ、企業と求職者双方が満足のいくマッチングを実現できるよう、効果的な採用活動と支援策の強化が必要となる。

⇒ 詳しくは佐賀労働局のWEBサイトへ