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2024年11月29日

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健康意識の低下傾向が顕著に 18年で「健康が良い」と答えた人が9.7%減少

第19回中高年者縦断調査(中高年者の生活に関する継続調査)の概況 健康の状況(厚労省)

過去18年間の調査データから、健康状態を「良い」と評価する人々の割合が一貫して減少していることが確認されました。この傾向は、社会的要因や個人の健康習慣の変化、またそれを取り巻く環境の影響が複合的に作用していることを示唆しています。第1回調査時には回答者の84.8%が「良い」と評価していたのに対し、第19回では75.1%にまで減少しました。この約10%の低下は、社会全体としての健康意識の低下や生活環境の変化、さらにはストレスや慢性的な健康問題の増加が関係している可能性があります。

特に、最初の調査で「非常に良い」と答えた人々の多くがその状態を維持している一方、「どちらかといえば良い」と答えた層の中では、健康状態が悪化するケースが多く見られました。このことは、健康状態の評価において中間的な層が特に悪化リスクを抱えていることを示しています。また、長期にわたり「健康が悪い」と答える人々の割合が増加している点も見逃せません。このような傾向は、生活習慣の変化だけでなく、医療や福祉制度の課題、個人の健康管理に関するリテラシー不足が影響していると考えられます。

健康維持に関する調査では、男女間で異なる傾向が明らかになりました。男性は主に「適度な運動をする」という行動が健康状態の改善や維持に直結しており、「良い」と評価する人の割合が「悪い」と評価する人の割合を大きく上回っていました。一方で女性の場合、「バランスを考え多様な食品を摂取する」という行動が健康状態に与える影響が顕著であり、同様の健康状態評価の差が見られました。さらに、女性では「適正体重を維持する」ことも健康に良い影響を与える重要な要素として浮上しています。これらの結果は、男性が身体活動を重視する傾向にあるのに対し、女性が日常的な食生活の質を重視する傾向があることを示しています。

さらに、社会参加活動が健康状態に与える影響も重要なポイントです。男性の場合、「スポーツ・健康」といった活動が心身の健康維持に大きく寄与しており、「良い」と答える割合が「悪い」と答える割合に比べて大幅に高い結果が得られました。女性では、「趣味・教養」に関連する活動が特に健康状態の改善に役立っており、心理的な安定感を高める可能性が示されています。このように、社会参加活動は身体的な健康のみならず、心理的な幸福感や社会的なつながりを強化する役割も果たしていると考えられます。

これらの調査結果を踏まえると、個人の健康状態の改善には日常生活の中での具体的な行動が重要であると同時に、企業や社会全体での支援が欠かせないことがわかります。特に、職場においては健康増進プログラムの導入や、従業員が健康的な生活を送れるような環境整備が必要です。運動習慣の推奨や職場での栄養指導、ストレス管理のためのカウンセリングなどの支援が、従業員の健康意識向上や職場全体の生産性向上につながるでしょう。また、社内サークルや地域活動への参加機会を増やすことで、従業員同士のつながりを強化し、職場における一体感を醸成する効果も期待できます。

これらの取り組みを実現するためには、健康管理に関する情報を従業員に対して積極的に提供し、彼らが主体的に健康維持に取り組む環境を整えることが求められます。企業が従業員の健康を支援することは、単に個々の幸福感を高めるだけでなく、組織全体の長期的な発展に寄与する重要な要素となるでしょう。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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