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2024年6月18日

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入院者訪問支援の初回面会での注意点と準備方法 大阪精神医療人権センターの実践に基づくアドバイス

⑤入院者訪問支援の実践(厚労省)

入院者訪問支援の実践についての講義を行います。担当は大阪精神医療人権センターの加藤です。この講義では、大阪精神医療人権センターでの活動を例に、入院者訪問支援の流れを紹介します。自治体によって運用は異なる場合がありますが、ここでは事務局と入院者との事前のやり取りが終わっていることを前提に説明します。

入院者から事務局へ電話相談があり、事務局と日程調整が済むと、支援員が病院に訪問する流れです。事務局から支援員に対して「何々病院にいつ頃訪問可能か」という打診があり、日程調整と事前打ち合わせが行われます。支援員は2人1組で病院を訪問し、役割分担や相談の進め方などを事前に打ち合わせることが望ましいです。

病院に到着したら、受付で訪問支援であること、入院者の名前、約束の時間などを伝えます。記録については、自治体や事務局で様式が定められており、紙媒体や電子媒体での記録が求められることがあります。

初回相談では、まず支援員の自己紹介を行い、派遣された理由、秘密保持の約束、話の内容は本人の同意なしに病院職員には伝えないことを説明します。また、面会時間の目安や必要に応じて何度でも利用できること、面会費用が無料であることも伝えます。

相談時には、入院形態や同意者の確認が必要な場合もありますが、適切な場面で確認することが大切です。相談内容に応じた情報提供を行い、エンパワメントの視点で関わることが求められます。面会を繰り返しながら、本人の思いが現実のものになり、相談が終了します。

支援員は秘密保持の義務があります。入院者との信頼関係は秘密保持が前提であり、支援員は精神保健福祉法によって秘密保持が課せられています。支援員が辞めた後も、この義務は続き、入院者が亡くなった後も同様です。事務局内での情報共有も集団的秘密保持の範囲内で行われます。例外として、チーム内共有や法令による要求、危害が及ぶ場合、虐待が疑われる場合などがあります。

面会時のコミュニケーションでは、環境にも気を配ることが重要です。精神科病院での面会では、プライバシーが保たれた環境で話を聞くことが必要です。面会場所が不適切な場合は、病院職員に確認してより良い場所を探します。面会時の聞き手と話し手の位置関係や、聞き手の態度にも注意を払い、感情に気づくことが大切です。

感情に気づけないと、態度に出てしまうことがあり、イライラしたり、頻繁な相槌で早く終わってほしいという気持ちが相手に伝わってしまうこともあります。共感を示すためには、相手の気持ちを理解し、フィードバックを行うことが重要です。無理に「分かります」と言わないようにし、相手の話に共感を示します。

入院者との話が理解できなかった場合は、自分の理解した内容を確認し、相手に訂正や追加を求めます。理解できないまま話を続けると、相手が話を十分に聞いてもらえたと誤解する可能性があります。共感が難しい場合でも、相手の感じていることを受け止める姿勢を示します。

精神障害を持つ方とのコミュニケーションでは、短く分かりやすく伝えることが大切です。話のトピックをあらかじめ伝えることや、話をまとめて確認する作業も重要です。非言語的なコミュニケーションも含め、相手の事実を大事にし、無理に同調するのではなく、理解できないことはそのまま伝えます。

訪問支援を通じて、入院者が具体的な行動に移れるようにサポートします。具体的には、気持ちの整理がつき、病院職員に自分の思いを伝えられるようになります。情報収集の支援や、社会資源の利用について説明します。弁護士の情報提供も行い、精神保健福祉法に基づく権利の行使をサポートします。

しかし、家族との調整や社会資源の利用調整、医学的な判断、病院職員への報告などは行わず、あくまで本人の立場に立った支援を行います。支援の範囲を超える依頼には対応せず、事務局と連携しながら進めていきます。

訪問支援の結果として、本人の具体的な行動につながることや、療養環境の改善、病院職員の意識向上、医療の質の向上が期待されます。難しい対応や悩む場面でも、事務局と相談しながら進め、支援員全体で取り組んでいくことが大切です。

⇒ 詳しくは厚生労働省のYoutubeチャンネルへ