2025年1月31日
労務・人事ニュース
全国平均354,079円!最新の製造業給与データで見る地域別の差(毎月勤労統計調査地方調査 令和6年8月分結果概要 事業所規模30人以上 製造業)
毎月勤労統計調査地方調査 令和6年8月分結果概要 事業所規模30人以上 製造業(厚労省)
日本国内における労働環境の現状について、令和6年8月時点の統計データをもとに詳しく分析しました。このデータは事業所規模30人以上の製造業を対象に収集されたもので、労働者数、労働時間、給与額などに関する詳細な情報を含んでいます。この分析結果は、企業の採用担当者にとって重要な参考資料となるでしょう。
全国の製造業に従事する常用労働者数は5977.2千人に上り、その労働時間は月平均で149.9時間でした。さらに、所定内労働時間が135.9時間を占め、所定外労働時間(残業)は月平均14時間と計測されています。この残業時間は近年の労働時間短縮に向けた取り組みの影響もあり、過去の統計と比較して減少傾向にあります。一方、月間の出勤日数は全国平均で17.7日となっています。
給与に関しては、現金給与総額が全国平均で354,079円に達しており、その内訳として所定内給与が308,891円、特別給与が11,373円を占めています。これらの数字は地域によって異なり、特に都市部と地方では顕著な差が見られます。例えば、北海道の現金給与総額は270,080円であり、全国平均を大きく下回っています。一方で、地域ごとの労働条件の違いが見えるのは、生活コストや産業構造の影響が反映されているためです。
地域別のデータでは、例えば青森県の労働者は月平均148.8時間働き、所定外労働時間は11.0時間と全国平均より少ない状況です。同県の現金給与総額は270,566円で、そのうち特別給与は22,575円を占め、これは他の地方と比べても比較的高めです。同様に、岩手県では月平均労働時間が147.2時間と、青森県と似た水準にある一方、給与総額は295,689円とやや高めに設定されています。これらの数字から、地域ごとの労働環境や給与体系が異なることが明らかです。
企業にとって、このような地域差を理解することは、採用戦略を練る上で重要です。都市部では高い給与水準を提示することで優秀な人材を確保しやすい一方、地方では労働条件やライフスタイルを強調することで人材獲得につながる可能性があります。また、所定外労働時間が少ない地域では、ワークライフバランスを重視する応募者に対して魅力的な職場環境をアピールできるでしょう。
さらに、特別給与や賞与の比率についても注目すべきです。特別給与は労働者のモチベーション向上に寄与する重要な要素であり、地域ごとの違いを考慮した上で適切な水準を設定することが求められます。例えば、特別給与が低い地域では、成果報酬型の制度を導入することで社員のパフォーマンスを引き出すことが期待できます。
企業の採用担当者がこのデータを活用することで、具体的な地域特性に基づいた採用戦略や人材確保の計画を立てることが可能になります。また、地域別の労働市場の状況を正確に把握することで、効果的な福利厚生や給与体系の設計にも役立つでしょう。以上のような観点を踏まえ、国内の労働環境を改善するための取り組みが求められる時代において、これらのデータは重要な指標となります。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ