2025年6月6日
労務・人事ニュース
全国製造業の月給平均79万円、賞与47万円で示す年末の賃金動向(令和6年12月分結果概要)
- 「夜勤なし」/正看護師/オンコールなし
最終更新: 2025年6月14日 22:38
- 「ブランクOK」/准看護師・正看護師/クリニック/車で通えます
最終更新: 2025年6月14日 22:38
- 「駅チカ」/正看護師/クリニック/うれしい土日祝休み
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- 「夜勤なし」/正看護師/クリニック/ブランクのある方も歓迎
最終更新: 2025年6月14日 22:38
毎月勤労統計調査地方調査 令和6年12月分結果概要 事業所規模5人以上 製造業(厚労省)
令和6年12月に実施された毎月勤労統計調査の製造業分野に関するデータは、わが国のモノづくり産業における労働実態と賃金動向を明確に示しています。全国の製造業における常用労働者数は765万6,700人に達し、日本の産業構造の中で依然として製造業が雇用の一大供給源であることを再確認させる内容となっています。労働時間については、総実労働時間が158.4時間と他産業に比べて高めであり、そのうち所定内労働時間が144.7時間、所定外労働時間が13.7時間を占めています。これは製造現場での繁忙期対応やシフト制勤務による長時間労働の影響が背景にあると見られます。
出勤日数については全国平均で19.1日となっており、祝日や年末休暇の影響を受ける他産業と比較しても出勤日数がやや多い傾向にあります。これは納期厳守を重視する製造業特有の労務管理体制の結果といえるでしょう。一方で、賃金面に目を向けると、全国平均の現金給与総額は797,009円と高水準を維持しており、産業別ではトップクラスの金額となっています。この中にはきまって支給される給与が329,101円、所定内給与が297,787円、特別給与が467,908円と構成されており、賞与や一時金の割合が非常に高い点が大きな特徴です。これは業績に連動した支給体系が多くの製造業企業で根付いていることを示すと同時に、労働者の収入が季節性や景気変動に左右されやすいという側面も浮き彫りにしています。
地域別に見ると、北海道の製造業では常用労働者が16万5,900人と、地域としての産業集積の強さを物語っています。総実労働時間は162.1時間で、所定内労働時間が149.0時間、所定外労働時間が13.1時間という内訳です。出勤日数は全国よりも高い20.4日で、稼働日数の多さが労働時間の増加に直結している構造が見受けられます。給与面では現金給与総額が608,565円、特別給与が340,107円と、全国平均よりも低いながらも一定の水準を保っています。特にきまって支給される給与が268,458円、所定内給与が246,413円と基本給に近い部分が全国平均を下回っており、地域間格差の存在を浮き彫りにしています。
青森県では常用労働者が4万9,600人、総実労働時間が162.0時間、所定内労働時間が150.2時間、所定外労働時間が11.8時間と、北海道とほぼ同程度の労働時間を記録しています。出勤日数は19.7日とやや高めで、製造業における稼働率の高さが表れています。給与水準では現金給与総額が509,444円で、全国平均と比較すると約29万円の開きがあるのが現状です。特別給与は261,485円、所定内給与が226,004円と、賞与に依存する傾向が強く、基本給与の引き上げによる生活安定の課題が残されていることが伺えます。
岩手県におけるデータも注目に値します。同県では常用労働者数が7万4,500人、総実労働時間が162.3時間で、所定内が149.0時間、所定外が13.3時間となっています。出勤日数は19.4日で、北海道や青森と同様の水準です。現金給与総額は583,597円、うち特別給与が313,017円と高額で、所定内給与は244,546円という内訳です。これもまた、賞与に依存する傾向が見られ、地域における製造業の経済的基盤を映すものとなっています。
これらのデータは、企業の採用担当者にとって非常に重要な示唆を含んでいます。特に、労働時間が長く給与の多くを特別給与が占めている場合、求職者が安定した収入を求める傾向にある昨今では、月額給与の見直しや、働き方の柔軟性を打ち出す必要があります。加えて、地域ごとの賃金水準を精査することで、拠点ごとの採用難易度や人件費戦略を適切に立案することが可能となります。
また、全国平均で総実労働時間が月158時間を超えるという実態は、労働生産性の観点からも再考の余地があります。所定外労働が13.7時間というのは決して短い数字ではなく、従業員の健康維持やワークライフバランスの確保の観点からは改善が求められる指標でもあります。さらに、製造業における労働時間と給与水準の関係を丁寧に分析することで、求人時における条件設定や競合他社との差別化にも役立てることができます。
今後、採用市場がより一層競争的になる中で、求職者が重視するのは単なる給与額の多寡だけではありません。働きやすさ、安定性、企業の将来性など多様な視点が考慮されるようになっている現状において、こうした詳細な統計情報は企業の魅力発信や組織の透明性向上にもつながります。その意味で、今回の毎月勤労統計の製造業に関するデータは、採用戦略の中核を担う判断材料であるといえるでしょう。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ