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2024年7月1日

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全国15万箇所のため池、防災減災対策の現状と課題

ため池の防災減災対策に関する調査<結果に基づく通知>(総務省)

令和6年6月に総務省行政評価局が発表した「ため池の防災減災対策に関する調査結果報告書」によると、全国には約15万箇所の農業用ため池が存在しており、その多くは江戸時代以前に築造されたため劣化が進行しています。近年、豪雨などによるため池の決壊事例が増えており、人的被害も発生していることから、防災減災対策が喫緊の課題となっています。

この問題に対処するため、令和元年7月に「農業用ため池の管理及び保全に関する法律」が施行され、ため池所有者による情報の届出や市町村長によるハザードマップの作成などの規定が整備されました。また、令和2年10月には「防災重点農業用ため池に係る防災工事等の推進に関する特別措置法」が施行され、都道府県知事が防災重点農業用ため池を指定し、計画的に防災工事を行う仕組みが整備されました。

本調査は、地方公共団体におけるため池の防災減災対策の実態や課題を把握し、豪雨被害などの防止に向けた適切な防災工事の実施と住民への迅速な情報提供を促進することを目的としています。調査対象機関には農林水産省、内閣府、国土交通省などが含まれ、調査は令和4年10月から令和6年6月まで行われました。

防災重点農業用ため池の指定状況については、都道府県知事が防災工事等基本指針に基づき指定を行い、関係市町村長の意見を聴取した上で指定が行われます。指定要件には、ため池からの水平距離100m未満の浸水区域に住宅などがある場合や貯水量が1,000㎥以上である場合などが含まれます。

劣化状況評価や地震・豪雨耐性評価の実施状況については、特措法に基づき防災工事等推進計画を定め、廃止予定のものを除く全ての防災重点農業用ため池に対して評価が行われています。評価には一定の期間と経費が必要であり、全ての評価を特措法の有効期間内に完了させることは困難であるため、地域の実情やこれまでの防災工事等の実績を踏まえて評価すべきため池を選定する必要があります。

調査対象とした11都道府県においては、令和12年度までに全ての防災重点農業用ため池の評価に着手予定としており、令和4年度末時点では評価の進捗状況に一定の成果が見られます。しかし、特措法の有効期間後も引き続き地震・豪雨耐性評価を実施し、必要な防災工事を適切に実施していくことが求められます。

住民に対する評価情報の公表状況については、法令で定められた事項をインターネットなどで公表することが求められていますが、評価結果の公表には住民への説明や理解が不可欠であり、関係市町村の協力が必要とされています。

総じて、本調査はため池の防災減災対策の実態や課題を明らかにし、各地域における防災工事の適切な実施と住民への迅速な情報提供を通じて、豪雨被害などの防止を目指しています。

⇒ 詳しくは総務省のWEBサイトへ