2024年9月29日
労務・人事ニュース
全国21,436地点の調査結果から明らかに、32年ぶりに地方圏でも地価上昇へ
全国の地価動向は全用途平均で3年連続上昇 ~令和6年都道府県地価調査~(国交省)
令和6年9月17日に公表された最新の都道府県地価調査によると、日本全体の地価は、地域や用途によってばらつきがあるものの、全体的に上昇傾向が続いていることが確認されました。特に、全国21,436地点を対象とした調査では、全国平均の地価が3年連続で上昇していることが明らかになっています。これにより、景気の回復が緩やかに進んでいる中での土地価格の動向が反映されていることが示されました。
全国の地価は、全用途平均、住宅地、商業地のいずれにおいても上昇傾向を維持しており、特に上昇幅が拡大しています。さらに、三大都市圏である東京圏、大阪圏、名古屋圏においては、全用途平均で4年連続、住宅地では3年連続、商業地では12年連続で地価が上昇しており、上昇幅がさらに拡大しています。これらの都市圏では、住宅需要の増加や商業施設の拡充、再開発プロジェクトの進展などが地価上昇の主な要因とされています。
一方、地方圏においても、全用途平均、住宅地、商業地のいずれも2年連続で上昇を続けており、全用途平均と商業地の上昇幅が拡大しました。特に、地方四市と呼ばれる札幌市、仙台市、広島市、福岡市では、全用途平均、住宅地、商業地のいずれも12年連続で上昇を記録しているものの、上昇幅自体はやや縮小しています。それでも依然として、地方圏の都市における地価上昇が続いていることは、地方における経済活動の活性化や再開発プロジェクトの進行が要因として挙げられます。
さらに、地方のその他の地域では、住宅地の価格は依然として下落が続いているものの、その下落幅は縮小しており、商業地に関しては2年連続で上昇が確認されており、その上昇幅も拡大しています。特筆すべき点としては、全用途平均が平成4年以来32年ぶりに上昇に転じたことです。これまで下落が続いていた地域でも、地価が回復傾向にあることが伺え、今後のさらなる回復が期待されています。
このような地価の上昇傾向は、全国的な不動産市場の回復を示す重要な指標であり、特に都市部での商業施設や住宅需要の増加が大きく影響しています。企業にとっては、こうした地価動向が、今後の不動産投資や事業展開における重要な判断材料となるでしょう。特に、三大都市圏や地方四市での商業施設の拡充や再開発の進展は、ビジネス拠点の選定や事業拡大において有利な機会となる可能性があります。
地価動向に関心を寄せる企業や投資家にとって、特に注目すべき点は、地域による地価の変動です。例えば、三大都市圏では、住宅需要の高まりとともに、商業地の開発も活発に進んでおり、企業が新たな事業拠点を設けるにあたり、有利な環境が整っていると考えられます。一方、地方圏では、住宅地の下落傾向が続いている地域がある一方で、商業地においては上昇が見られるため、商業施設の拡充や観光業の発展など、特定の業種にとっては新たなビジネスチャンスとなる可能性があります。
また、今回の地価調査結果では、地方圏における再開発や都市開発が進んでいる地域では、特に商業地の価格上昇が顕著であることが分かります。これにより、企業が地方都市に進出する際の地価上昇リスクを見越した投資計画が必要となるでしょう。地方都市での新規事業展開や工場・店舗の設置を検討している企業にとっては、今後の地価動向を注視しながら、適切な投資戦略を立てることが求められます。
今回の地価調査では、個別地点の価格データも公表されており、これを活用することで、より具体的な投資判断が可能となります。不動産情報ライブラリなどのオンラインデータベースでは、全国各地の詳細な地価情報が提供されており、これを利用することで、企業が地価の変動リスクを見極め、適切な投資計画を策定することができるでしょう。また、地価動向は、今後の景気動向や不動産市場の動向にも大きく影響を与えるため、長期的な視点での資産運用や事業計画の見直しが必要です。
まとめると、令和6年の地価調査結果は、全国的に地価が上昇基調にあることを示しており、特に三大都市圏や地方四市における地価の上昇が顕著です。企業にとっては、この地価動向を踏まえた不動産投資や新規事業展開が今後の成長戦略において重要な要素となるでしょう。また、地方圏においても、商業地の地価が上昇している地域があることから、企業が地方への進出を検討する際には、この点を考慮した戦略を立てることが必要です。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ