2025年2月6日
労務・人事ニュース
全日本運輸産業労働組合連合会、第63回中央委員会を開催――「大きな変化」を求める2025春闘へ
2025.01.23 第63回中央委員会を開催(運輸労連)
全日本運輸産業労働組合連合会(運輸労連)は1月21日、栃木県宇都宮市のライトキューブ宇都宮において「第63回中央委員会」を開催した。全国から251名(うち女性27名、女性参画率10.75%)の中央委員および傍聴者が出席し、2025年春季生活闘争方針を正式に決定した。
冒頭のあいさつでは、トラック運輸業界を取り巻く厳しい現状について言及された。燃料費の高騰や物価上昇の影響を受け、物流量が減少する中、適正運賃の収受が進んでいない状況が続いていることが指摘された。一方で、物流の社会的認知度が向上していることにも触れ、「物流の2024年問題」が本格化する中で、業界の労働環境改善と持続可能な物流の実現に向けた改革の機運が高まっていることが強調された。そして、「今こそ、働く仲間の労働環境を改善し、業界全体を変革するチャンスである」との前向きな姿勢が示された。
今年の春闘においては、2023年、2024年に続く高水準の賃上げの流れを定着させることが求められている。運輸労連の統一要求基準として、所定内労働時間賃金に定期昇給分の1.5%を加え、さらに他産業および業界内格差是正分や物価上昇を考慮した賃金改善分4.5%を加えた合計6.0%の賃上げを求める方針が示された。具体的な賃上げ要求額は15,500円を基準とし、これに基づいて交渉を進めることとなった。「物流に対する社会的な認識が高まる今こそ、大きな変化を生み出す春闘としたい」との呼びかけが行われた。
さらに、今年7月に予定されている第27回参議院議員通常選挙に関連し、運輸労連の比例代表推薦候補者が紹介され、各候補者が決意表明を行った。また、連合からの連帯のメッセージが紹介され、支援の意義が共有された。
会議では、活動経過の報告が行われた後、2025年春季生活闘争方針が提案された。5名の中央委員が質疑や要望を行い、それに対する答弁がなされた後、絶対多数の賛成により正式に可決された。さらに、第27回参議院議員通常選挙の必勝決議案やスローガンが採択され、最後に「団結ガンバロー三唱」によって閉会した。
今回の中央委員会を通じて、運輸業界の労働環境の向上や賃上げの必要性が再確認された。社会全体で物流の在り方が問われる中、今後の交渉の行方に注目が集まる。
⇒ 詳しくは全日本運輸産業労働組合連合会のWEBサイトへ