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2025年3月12日

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全産業の平均月間実労働時間は136.9時間!前年比1時間減で労働時間短縮が進行(毎月勤労統計調査 令和6年分結果確報)

毎月勤労統計調査 令和6年分結果確報 第2表 月間実労働時間及び出勤日数(厚労省) 調査産業計

全産業の平均月間実労働時間は136.9時間で、前年比1時間の減少となった。これは、労働時間の短縮が進んでいることを示しており、政府が推進する「働き方改革」の影響が徐々に反映されていると考えられる。特に、長時間労働の是正やテレワークの普及が進む中で、労働時間の適正化が進んでいることがうかがえる。

内訳を詳しく見ると、所定内労働時間は126.9時間で、前年比0.9時間の減少となった。この減少は、企業が従業員の労働時間を管理し、過度な勤務を抑制する動きが広がっていることを示している。特に、製造業や建設業などの業種では、週休2日制の導入が進み、所定労働時間の削減が進んでいる。一方で、飲食業や医療・福祉業界では、依然として長時間労働が課題となっており、業界ごとの労働時間の格差が浮き彫りになっている。

一方、所定外労働時間(残業時間)は10時間で、前年比2.7%の減少が見られた。このデータから、全産業において残業時間の削減が進んでいることが分かる。特に、大手企業を中心にフレックスタイム制度や在宅勤務の導入が進められており、従業員のワークライフバランスの改善が進んでいる。しかし、サービス業や運輸業では、繁忙期における労働時間の増加が依然として問題視されており、今後の課題として対応が求められる。

月間出勤日数については、17.7日となり、前年より0.1日増加している。この増加はわずかではあるものの、年間を通じた労働時間の変化に影響を与える要因となる。特に、シフト制を採用している業界では、労働日数の変動が大きく、労働環境の改善が求められている。近年では、週休3日制の導入を検討する企業も増えており、今後の働き方の変革により、出勤日数の推移にも変化が見られる可能性がある。

企業の採用担当者にとって、このデータが示すポイントは、労働時間の短縮が進んでいる中で、いかに生産性を維持・向上させるかという点にある。労働時間が短縮されることで、従業員の健康管理が向上し、離職率の低下につながることが期待される一方で、業務効率の改善が求められる。特に、IT技術を活用した業務の自動化や、柔軟な勤務体系の導入が、企業の競争力を左右する要素となる。

また、今後の課題として、労働時間の適正化とともに、給与水準の維持が求められる。労働時間が減少することで、従業員の総支給額が減少する可能性があり、これを補うためには基本給の引き上げや成果報酬型の賃金体系の導入が必要になる。特に、時間外労働に依存していた業界では、労働時間短縮に伴う収入減が課題となるため、新たな給与制度の導入が検討されている。

今後の展望として、日本の労働環境は、さらなる働き方改革の推進により、大きな変革を迎えることが予想される。特に、週休3日制の導入やテレワークの普及が進むことで、労働時間の短縮と生産性の向上を両立させる動きが加速すると考えられる。企業は、これらの変化に対応し、従業員のモチベーション向上や職場環境の改善に取り組むことで、より良い労働環境を構築することが求められる。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ