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2024年11月9日

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公立学校施設の耐震改修、全国99.9%達成!未改修135棟の対応が急務

公立学校施設の耐震改修状況フォローアップ調査の結果について(文科省)

公立学校施設の耐震改修に関するフォローアップ調査の結果が発表され、2024年4月1日時点での状況が報告されています。この調査は、学校施設の耐震性を確認し、安全な学習環境を提供することを目的としています。特に、学校施設は地域住民の避難所としても重要な役割を果たすため、建物の耐震化は緊急かつ不可欠な課題です。

調査の結果、全国の小中学校、高等学校、特別支援学校における耐震改修の進捗が詳細に報告されました。まず、小中学校に関しては、非木造の建物の耐震化率が99.9%に達しており、残りの耐震性がない建物は135棟にまで減少しています。これにより、未改修の建物は前年より60棟減少しました。さらに、未改修の設置者数も前年の47設置者から36設置者に減少しています。耐震化が進んでいない建物は、主に北海道や愛媛県に多く、対策が進んでいない設置者は今後も改善が求められます。

屋内運動場等における吊り天井の落下防止対策も進行中です。調査結果によれば、全国の小中学校の屋内運動場で対策が完了していない建物は111棟残っており、対策実施率は99.6%です。これに対して、対策が未完了の設置者は前年の63設置者から51設置者に減少しています。吊り天井の落下は大きなリスクとなるため、引き続き早急な対策が求められます。

また、非構造部材(天井や窓ガラスなど構造体とは異なる部材)の耐震点検と耐震対策も進められており、耐震点検実施率は97.4%に達しました。しかし、耐震対策の完了率は68.0%にとどまっており、引き続き対応が必要です。特に老朽化した建物では、ガラスの破損や内外装材の落下など、非構造部材の被害が懸念されているため、これらの問題に対する対策が急務となっています。

さらに、都道府県別に耐震化が進んでいない建物の数も報告されており、北海道、愛媛県、山口県が特に耐震化の遅れが目立っています。例えば、北海道では31棟、愛媛県では28棟の小中学校がまだ耐震化されていません。これらの地域では、設置者との調整を進め、早期の耐震化完了が求められます。

一方で、高等学校や特別支援学校の耐震化も進んでおり、全国の高等学校の耐震化率は99.7%に達しました。特別支援学校においては、耐震化が完全に完了しており、耐震性のない建物はゼロになっています。これは、特別支援が必要な生徒が通う学校においても、安全性が確保されていることを意味します。

この調査結果を受け、文部科学省は、耐震改修が未完了の設置者に対し早期の対策完了を求めるとともに、個別に進捗状況を確認しながらサポートを続けていくとしています。老朽化対策としても、非構造部材の安全確保を含む改修を促進していく方針です。また、今回のフォローアップ調査の全体版は、文部科学省のウェブサイトで公開され、今後の耐震改修に関する最新情報が提供される予定です。

最後に、この調査結果から明らかになったのは、全国的に公立学校の耐震化がほぼ完了している一方で、一部の地域や施設ではまだ対策が不十分であるという現状です。特に、吊り天井の落下防止や非構造部材の対策が未完了の施設においては、早急な改善が必要です。これらの対策が完了することで、全国の児童生徒や地域住民が安心して過ごせる環境が整備され、災害時にも確実に機能する避難所としての役割を果たすことが期待されています。

⇒ 詳しくは文部科学省のWEBサイトへ

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