労務・人事ニュース

  • TOP
  • お知らせ
  • 労務・人事ニュース
  • 兵庫県の有効求人倍率は2024年12月に0.99倍へ低下!前月比0.01ポイント減少で2か月連続低下

2025年2月13日

労務・人事ニュース

兵庫県の有効求人倍率は2024年12月に0.99倍へ低下!前月比0.01ポイント減少で2か月連続低下

一般職業紹介状況(令和6年12月分及び令和6年分) ~県内の雇用情勢の概況~(兵庫労働局)

兵庫労働局が発表した最新の雇用動向によると、令和6年12月の有効求人倍率は0.99倍となり、前月と比較して0.01ポイント低下した。この数値は、県内の求人状況がやや減少傾向にあることを示している。また、有効求人数は80,101人で、前月と比較して0.6%減少。一方で、有効求職者数は80,760人となり、前月比0.5%増加した。これにより、求職者の増加に対して求人の伸びが追い付いていない状況が浮き彫りとなった。

新規求人倍率については、1.74倍と前月から0.05ポイント低下し、2か月連続の減少となった。新規求人数は27,828人で前月比0.7%増加したものの、新規求職者数も15,972人と前月比3.6%増加しており、求職市場の競争が激化していることが分かる。兵庫県の雇用情勢は持ち直しの動きを見せつつも、全体としては弱含みで推移している。

年間平均で見ると、令和6年の有効求人倍率は1.01倍であり、前年と比較すると0.01ポイントの減少が見られる。有効求人数は81,671人(年間平均)で、前年比2.5%減少。有効求職者数は80,990人(年間平均)で、前年比1.4%減少した。新規求人倍率も1.80倍と前年より0.01ポイント低下しており、雇用市場の微妙なバランスの変化が見て取れる。

業種別に見ても雇用の状況は一様ではない。例えば、製造業の新規求人数は前年同月比11.3%減と大幅な減少を示している。特に、化学工業では前年比38.6%の減少が記録されるなど、産業ごとに異なる動向が見られる。一方で、宿泊業・飲食サービス業の新規求人は40.0%減と大きく落ち込んでおり、観光業界の採用意欲の低下が影響を与えている可能性がある。

一方で、情報通信業の新規求人数は前年比29.9%減となっており、IT・通信業界の求人は減少傾向にあることが分かる。金融・保険業では前年比10.6%増と若干の伸びが見られるが、全体の雇用市場の動向から見ると限定的な影響にとどまっている。

地域別の動向を見ても差がある。例えば、神戸地域の有効求人倍率は1.06倍と前年同月比で微増しているが、但馬地域では2.16倍と全国平均を大きく上回っている。一方で、阪神地域では1.40倍、東播磨地域では1.30倍と安定しているものの、淡路地域では1.08倍と低めの数値となっている。このように、地域ごとに求人数と求職者数のバランスに違いが見られる。

企業規模別に見ると、特に中小企業の求人動向に変化が見られる。100~299人規模の企業では新規求人が前年比6.1%減少しており、企業の採用意欲が低下していることが伺える。一方で、1,000人以上の大企業では新規求人が8.0%減とやや控えめな減少にとどまっており、大企業の方が比較的採用意欲を維持していることが分かる。

雇用市場の今後の見通しについては、物価上昇などの経済的な要因が雇用に与える影響を慎重に見極める必要がある。特に、消費動向の変化や人手不足の深刻化が今後の求人倍率にどのように影響するかが注目される。企業の採用活動は引き続き慎重に進められると考えられるため、求職者にとっても戦略的な転職活動が求められる状況となりそうだ。

⇒ 詳しくは兵庫労働局のWEBサイトへ