労務・人事ニュース

  • TOP
  • お知らせ
  • 労務・人事ニュース
  • 兵庫県最低賃金、51円アップで過去最高の時給1,052円に引き上げ!

2024年8月24日

労務・人事ニュース

兵庫県最低賃金、51円アップで過去最高の時給1,052円に引き上げ!

兵庫県最低賃金 時間額1,052円を答申 ~引上げ額51円は時給に統一後の最高額~(兵庫労働局)

令和6年8月5日、兵庫地方最低賃金審議会は兵庫労働局長に対して、県内全ての事業場で働く労働者に適用される兵庫県最低賃金の引き上げを答申しました。この答申によれば、現在の最低賃金1,001円を51円引き上げて、時間額1,052円とすることが適当であるとされています。これは、平成14年以降で最高の引き上げ額となり、引き上げ率は5.09%に相当します。この新しい最低賃金額は、令和6年10月1日に発効される予定です。

この決定は、地域別最低賃金額改定の目安を参考にしつつ、地域の労働者の賃金水準や諸般の事情を総合的に勘案して行われました。特に、労働者の生活水準を保ちつつ、中小企業や小規模事業者の経営に与える影響も考慮した上での決定となっています。審議会では、政府や関係機関に対し、賃金引き上げに向けた支援を強化するよう要望も行われました。これは特に、中小企業や小規模事業者が賃金引き上げを円滑に行えるよう、独占禁止法や下請法の執行強化、価格交渉に関する指針の周知徹底を求めるものです。

さらに、審議会は、「業務改善助成金」制度の充実や労働者の処遇改善を支援する助成金の拡充、社会保険料の事業主負担分の軽減などの施策も提案しています。これにより、賃金引き上げ後も企業が安定的に運営を続けられるような支援体制を構築することが求められています。また、労働者が「年収の壁」を気にせず働ける環境を整えるため、被用者保険の適用拡大や年収の壁・支援強化パッケージの活用促進も必要とされています。

この最低賃金の改正は、兵庫県内の全ての事業場において適用され、労働者に対する最低賃金額は1時間あたり1,052円となります。適用地域は兵庫県全域で、使用者はその地域内で事業を営む全ての者が対象となります。賃金の中で、精皆勤手当や通勤手当、家族手当などは最低賃金に算入されないものとされています。

この改正に対する異議申出は、令和6年8月20日まで受け付けられ、その後、審議会の意見を踏まえた上で、兵庫労働局長が最終的な改正を決定し、官報に公示される予定です。この最低賃金の改正は、地域経済や企業の経営に大きな影響を与える可能性があり、その動向が注目されています。

最低賃金の引き上げは、労働者の生活の安定に直結する重要な施策ですが、その一方で中小企業や小規模事業者にとっては、賃金コストの上昇が経営に与える影響を慎重に検討する必要があります。このため、政府や関係機関は、賃金引き上げによる企業への負担を軽減し、地域経済の活性化を促進するための支援策を強化することが求められています。

また、最低賃金の改正に伴う法的手続きや実務対応についても、企業は早めに準備を進める必要があります。特に、労務管理や賃金計算の見直し、従業員への説明など、適切な対応が求められる場面が増えることが予想されます。最低賃金の引き上げが企業にとってプラスとなるような効果を引き出すためには、経営者や人事担当者が適切な情報を収集し、計画的に対応することが重要です。

このように、最低賃金の改正は、労働者の生活の質を向上させると同時に、企業にとっても経営の方向性を見直す機会となります。労働者と企業の双方が、この改正を機により良い関係を築き、地域経済の発展に寄与することが期待されています。したがって、兵庫県内の企業や事業主にとっては、この最低賃金の改正を理解し、適切に対応することが求められています。

⇒ 詳しくは兵庫労働局のWEBサイトへ

パコラ通販ライフ