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2024年7月7日

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円安が企業に与える影響、約9割が仕入価格の上昇を懸念

2024年6月 業況DIは、物価高に伴う消費低迷で、全業種で悪化。先行きは、一層のコスト負担増継続で厳しい見方(LOBO調査)

2024年6月の円安基調が多くの企業に与える影響についての詳細な調査結果が発表されました。調査によると、円安がもたらす影響は主に原材料やエネルギー価格の上昇に関連しており、多くの企業がこれをデメリットとして感じています。特に原材料や部品、商品などの仕入価格の上昇に伴う負担増は約89%の企業が挙げており、燃料・エネルギー価格の上昇に伴う負担増も77.5%と高い割合を示しています​。

円安基調が企業の業績に与える具体的なデメリットとしては、仕入コスト上昇分を販売・受注価格に転嫁できず収益が悪化することが挙げられ、43.4%の企業がこれを指摘しています。また、円安による外国人労働者の収入減少が求職者数の減少を招き、人手不足がさらに深刻化しているとの声もあります。

円安への対応として、既に対応策を取っている企業は22.4%、今後対応策を取る予定の企業は20.8%と、合わせて43.2%が何らかの対応策を講じています。最も多い対応策は製品・サービス価格への転嫁であり、75.7%の企業がこれを実施しています。しかし、対応策を取れない企業も40.5%存在し、円安によるコスト増加分を価格に転嫁できない状況が続いています​。

望ましい為替レートについての調査では、「120円以上125円未満」が最も多く、「110円以上135円未満」で69.5%の企業が望ましいと回答しています。しかし、調査期間中の平均為替レートである「155円以上160円未満」を望ましいとする企業はわずか0.3%に過ぎません​。

業種別の影響では、建設業は建築資材価格の高騰や民間工事の受注低迷が続き、深刻な人手不足が拍車をかけています。製造業では原材料やエネルギー価格の高騰がコスト負担増を招き、販売価格への転嫁が難しい状況です。卸売業では、物流2024年問題による輸送費の高騰や円安による輸入コストの上昇が影響し、小売業やサービス業も物価高による消費低迷の影響を受けています​。

地域別の動向では、東北地方は製造業や小売業での売上・採算が悪化しており、観光需要は堅調ながらも消費者の節約志向が強まっています。関西地方では建設業の受注減少と人手不足が課題となっており、インバウンド需要の高まりが見られる一方で、地域の消費者の購買意欲が低迷しています​。

全体として、円安基調がもたらす企業のコスト負担増は業種を問わず広がっており、特に小売業やサービス業では物価高による消費者の購買意欲の低下が業況の悪化を引き起こしています。先行き見通しも厳しく、多くの企業が円安対応に苦慮している現状が浮き彫りとなっています​。

⇒ 詳しくは商工会議所LOBO調査のWEBサイトへ

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