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2024年11月21日

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出勤日数は平均17.4日、前年比0.3日減少の背景に見る労働環境改善

毎月勤労統計調査 令和6年9月分結果速報等 第2表 月間実労働時間及び出勤日数(厚労省)

令和6年9月の速報データによると、全国規模で調査された労働時間や出勤日数に関する詳細な統計が発表されました。このデータは、事業所規模5人以上の職場を対象に収集されたもので、特に採用や労働環境の整備に関心を持つ企業担当者にとって有用な情報が含まれています。実労働時間や出勤日数は、従業員のパフォーマンスや職場環境を評価する重要な指標であり、業種別の数値が具体的に示されています。以下、各指標について詳しく解説します。

まず、総実労働時間に注目すると、調査対象全体では134.9時間と報告されていますが、前年同期比で2.5%減少しました。この傾向は、多くの産業で働き方の見直しや労働環境の改善が進められていることを示している可能性があります。中でも建設業では161.2時間と最も長く、一方で鉱業や採石業では154.3時間、製造業では155.8時間という数値が記録されています。それぞれの業種での減少幅は異なりますが、建設業では前年同期比3.8%の減少が見られ、他の業種と同様に総労働時間の縮小が見られました。

所定内労働時間に関しても、全体として125時間で、前年比2.6%の減少が確認されています。これに対して、所定外労働時間は9.9時間で、前年比3%の減少となっています。特に電気・ガス業では所定外労働時間が15.3時間と最も高く、前年比では4.4%減少しています。このデータは、各業種の労働環境改善の努力や残業削減の進捗を反映していると考えられます。

また、出勤日数にも注目すると、調査対象全体の平均出勤日数は17.4日で、前年同期と比較して0.3日減少しています。業種別に見ると、鉱業および採石業の出勤日数は19.1日と最も多い一方で、建設業が19.7日、製造業が18.7日と続いています。このようなデータは、業界ごとの働き方の違いを浮き彫りにしています。さらに、電気・ガス業では出勤日数が17.7日で、前年比0.7日減少しており、他業種と同様に労働環境改善の影響が表れています。

企業の採用担当者にとって、これらのデータは非常に重要です。労働時間や出勤日数の傾向を把握することで、業界全体の動向や職場環境の変化を理解し、採用戦略や社員の働きやすい環境作りに活かすことができます。また、労働時間の短縮や出勤日数の減少は、企業イメージの向上や働き方改革の成果としても注目されるポイントです。

これらのデータを基に、企業が労働環境の整備に向けた具体的な方針を打ち出すことが求められます。例えば、残業の削減やテレワーク制度の導入、フレックスタイムの拡充など、従業員のワークライフバランスを考慮した施策が挙げられます。また、出勤日数の減少は休暇制度の充実やシフト制の柔軟性向上にもつながる可能性があります。

採用活動においては、こうした取り組みを積極的にアピールすることが重要です。求職者が職場環境を選ぶ際には、労働時間や休暇制度の充実度が大きな決め手となるため、企業は自社の魅力を伝えるための情報発信を強化すべきです。また、今回のデータから得られる洞察を基に、業界動向や競合分析を行い、自社のポジショニングを明確にすることも求められます。

以上のように、今回発表されたデータは企業にとって貴重な情報源となります。労働環境の改善や採用戦略の構築に活用することで、企業価値を高め、優秀な人材の確保につなげることが可能です。今後もこのようなデータを注視し、時代に即した対応を進めていくことが、企業の持続的な成長を支える鍵となるでしょう。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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