2024年7月23日
労務・人事ニュース
副業者の割合は6.0%、女性が男性を上回る
副業者の就労に関する調査(JILPT)
2023年5月19日、労働政策研究・研修機構(JILPT)は「副業者の就労に関する調査」の結果を発表しました。この調査は厚生労働省の要請を受けて実施され、副業を行う労働者の割合や、その形態、理由などを明らかにするために行われました。調査は2022年10月3日から10月13日にかけて、調査会社の登録モニターを対象にインターネットで実施されました。
調査によると、仕事をしている人のうち、副業をしている人の割合は6.0%であり、男性よりも女性の方が多く見られました。男性の副業者割合は5.1%であるのに対し、女性は7.4%でした。特に、年齢が高くなるほど副業をしている割合が高くなり、60~64歳の女性では8.3%に達しています。
副業をしている人の本業の就業形態を見ると、「非正社員」が41.0%で最も多く、「正社員」が38.1%、「非雇用者」が20.9%となっています。一方、副業の就業形態では「非正社員」が60.1%で最多となり、「非雇用者」が33.1%、「正社員」が6.8%でした。本業と副業の組み合わせでは、「本業・非正社員+副業・非正社員」が32.9%で最も多くなっています。
副業を行う理由としては、「収入を増やしたいから」が54.5%で最も多く、次いで「1つの仕事だけでは収入が少なくて、生活自体ができないから」が38.2%、「自分が活躍できる場を広げたいから」が18.7%と続いています。これを本業の就業形態別に見ると、「1つの仕事だけでは収入が少なくて、生活自体ができないから」という理由は「非正社員」が43.9%と最も高く、「非雇用者」が38.9%、「正社員」が31.6%でした。
さらに、新型コロナウイルスの影響で副業を始めた人も多く、34.7%が「影響している」と回答しました。本業の業種別に見ると、「宿泊業、飲食サービス業」で副業をしている人の割合が45.0%で最も高く、「生活関連サービス業、娯楽業」が40.8%、「建設業」が39.3%と続きました。
収入面では、副業の月収が「5万円以上10万円未満」の人が30.0%で最も多く、次いで「10万円以上15万円未満」が13.2%でした。5万円未満の収入の人も全体の4割を超えており、副業収入が生活費の一部を補っている現状が浮き彫りとなっています。
この調査結果から、副業が収入を補うための重要な手段となっていることがわかりますが、副業の就業形態や収入には大きな差があることも明らかになりました。特に非正社員や非雇用者にとって、副業は生活のために欠かせない収入源となっているようです。
調査結果を踏まえ、今後は副業を支援するための施策や労働環境の整備が求められます。政府や企業は、副業者が安心して働ける環境を整えることが重要です。