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2024年11月6日

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労働基準監督署に「労働者性に疑義がある方の相談窓口」を設置、フリーランスの働き方に対応した労働基準法違反のサポートを11月1日から開始

「労働者性に疑義がある方の労働基準法等違反相談窓口」を労働基準監督署に設置します(厚労省)

厚生労働省は、フリーランスとして働く方々の労働環境を改善するための新たな取り組みを発表しました。令和6年11月1日から、「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(通称「フリーランス・事業者間取引適正化等法」)の施行に合わせて、全国の労働基準監督署に「労働者性に疑義がある方の労働基準法等違反相談窓口」が設置されることが決まりました。これにより、フリーランスとして働いているものの、自らの働き方が実際には労働基準法上の「労働者」に該当する可能性があると感じている方々が、労働法に関する違反について相談できる場が整備されます。

近年、働き方の多様化が進む中で、フリーランスとしての働き方が注目されています。しかし、フリーランスとして契約していても、その実態が労働者と変わらない場合があります。こうしたケースでは、労働基準法の保護が十分に及ばないという問題が指摘されており、名目上は自営業者とされつつも、実際には労働者としての権利が侵害されている場合があるといいます。このため、厚生労働省は、新しい制度を通じてこうした方々を支援し、適正な労働環境の整備を目指す方針を打ち出しました。

労働基準法上の「労働者」として認定されるかどうかは、契約の形式や名称に関わらず、実際の働き方を総合的に判断して決定されます。このため、業務委託や請負契約、委任契約といった契約形式であっても、働き方の実態に基づいて労働者性が認められることがあります。今回設置される相談窓口では、こうした労働者性の疑いがある方々からの相談に対応し、労働基準法に違反する働き方が行われていないかを確認することが目的です。

相談窓口は、平日の午前8時30分から午後5時15分までの間、各地の労働基準監督署で開設され、労働者に該当するかどうかについての判断基準の説明も行われます。また、労働者性に関する自己診断を行うための「働き方の自己診断チェックリスト」も提供され、働く方々が自らの状況を確認できるよう支援します。

加えて、労働基準監督署では、労働者性の判断に関して、新たに厚生労働省が取りまとめた「代表的な裁判例」を参照資料として提供しています。これにより、労働者かどうかを判断するための基準が一層明確化され、適切な対応が可能になります。もし、相談内容から労働基準法に違反する疑いがある場合には、申告として労働基準監督署が調査を行い、違反が確認されれば法に基づいた処置が取られます。

なお、フリーランス・事業者間取引適正化等法に基づく取引の適正化に関する相談については、都道府県労働局の雇用環境・均等部や公正取引委員会、中小企業庁などが対応する体制も整えられています。これにより、労働環境や取引に関する幅広い相談が可能となり、フリーランスとして働く方々の保護が強化される見通しです。

厚生労働省は、フリーランスの働き方が拡大する中で、労働者としての保護を受けるべき人々が適切に保護されるよう、今後も引き続き取り組んでいくとしています。この取り組みは、フリーランスの働き方が増加する中で、労働者としての権利や保護を確実に受けるための重要な一歩となるでしょう。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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