2024年4月13日
労務・人事ニュース
労働市場と所得分布 65歳未満と65歳以上の世帯で異なる経済状況の変容
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最終更新: 2025年3月25日 22:36
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中間層を構成する世帯の変容(JILPT)
2024年4月2日に発表された研究報告は、日本の世帯の経済状況に関する興味深い洞察を提供しています。特に中間層以上に属する世帯の特徴とその変遷を捉え、今後の政策立案に役立てようという試みです。この研究では、厚生労働省が行う国民生活基礎調査のデータを利用し、所得に焦点を当てた分析が行われています。
この研究の目的は、日本の中間層および高所得層の特徴を理解し、中間層以上の世帯が増加するために必要な政策を考察することにあります。分析結果は、所得の分布や世帯構成の変化、そしてそれらが中間層以上の世帯にどのように影響しているかを示しています。
1997年と2018年のデータ比較によると、特に65歳未満の世帯では中間層の下限に達しない所得層が増加しており、中間層以上の世帯割合が低下していることが明らかになりました。また、高齢者を中心とした世帯では、低所得者と貧困層の割合が顕著に増えています。
こうした所得分布の変化をさらに掘り下げると、働いて得る所得、つまり稼働所得の分布も大きく変わっていることがわかります。この傾向は、世帯主の年齢に関わらず見られ、とりわけ高齢者世帯で所得の低下が顕著です。
研究では、決定木分析という手法を用いて、中間層以上の世帯を特定する要因を探っています。1997年と2018年のデータからは、世帯内の所得分布や稼働所得の割合が中間層以上に分類される重要な要因となっています。また、時間の経過とともに、非正規雇用の割合などの新たな要因が影響を与えていることも示されました。
さらに、1997年から2018年にかけて中間層以上の割合がどのように変化したかを解析し、その変化を構成効果と係数効果に分けて考察しました。この分析により、世帯の属性が時間とともにどのように変わり、それが中間層以上の割合にどう影響しているかが明らかにされています。
最終的に、中間層以上の割合を増やすためには、就業を促進するための支援策や、稼働所得を増加させるためのリスキリング支援策の拡充が必要であると結論付けています。この研究結果は、労働政策の策定において重要な基礎資料を提供することになります。
これらの知見は、中間層以上の世帯を増やすための具体的な政策立案に役立つだけでなく、日本の社会構造が直面する課題への理解を深めるものです。今後の政策立案において、こうした分析結果がどのように活用されるかが注目されます。