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2024年3月31日

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労働時間制度等に関するアンケート調査結果 職場環境と勤務時間外のコミュニケーションが及ぼす影響について

労働基準関係法制研究会 第5回資料(厚労省)

日本における労働者の健康と安心感、職場外での仕事のやりとり、転職や求職活動時に求められる情報に関する調査結果が明らかになりました。この調査では、労働者が職場の健康状況や勤務環境にどのような感じを持っているか、また転職や求職時にどのような情報を重視するかが分析されています。

まず健康面に関しては、労働者の約半数が何らかの不安を抱えていることが判明しました。詳細に見ると、「全く不安を感じない」と答えた人は13.5%にとどまり、一方で「ほとんど不安を感じない」が36.8%、「やや不安を感じる」が35.9%、「不安を感じる」が13.8%となりました。つまり、安心して仕事をしている労働者は少数で、多くの人が健康に関する懸念を持っていることがわかります。

健康を守るための職場の取り組みについても注目されており、「健康診断」を実施している職場が38.2%と最も多かったですが、「特段の措置は実施されていない」と回答した労働者も37.7%に上りました。これは多くの職場で健康管理の取り組みが十分ではないことを示しています。

勤務時間外の連絡に関する調査では、「勤務時間外や休日に連絡がなかった」と答えた人が56.1%でしたが、それでも大きな割合で勤務時間外に仕事の対応を求められていることが明らかになりました。具体的には、「出社せず通信機器等で対応した」が23.4%、「出社してまたは取引等に出向いて対応した」が8.9%でした。また、勤務時間外の対応について「できれば対応したくないが、やむを得ない」と感じる人が8.2%、「対応したくない」が38.0%と、多くの人が勤務時間外の仕事に否定的な感情を持っていることが分かります。

転職や求職活動に際して労働者が重視する情報としては、「賃金」が59.0%と最も重要視されており、「雇用形態の種類・割合」が46.1%、「勤務場所」が45.8%と続きます。これは、働く人々が給料や雇用の安定性、職場の環境を特に重要と考えていることを示しています。

この調査からは、日本の労働者が健康、仕事の安定性、そして勤務環境に対して持つ関心の高さが明らかになり、これらの要素が今後の労働市場や職場環境の改善において重要な役割を果たすことが予想されます。特に健康面の不安と勤務時間外の連絡対応への負担が大きな課題となっており、労働者のQOL(生活の質)を高めるための対策が求められています。

「労働時間制度等に関するアンケート調査結果について(クロス集計等)」の下記を参照。

  • 健康面、健康確保措置(75ページ)
  • 勤務時間外の連絡(76ページ)
  • 求職・転職の際に企業に提供してほしい情報(81ページ)

「労働時間制度等に関するアンケート調査結果について(クロス集計等)」はこちら

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ