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2024年12月18日

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労働者総数5111万人に見る日本の雇用市場の最新動向と業種別分析(毎月勤労統計調査 令和6年10月分結果速報)

毎月勤労統計調査 令和6年10月分結果速報 第3表 常用雇用及び労働異動率(厚労省)

令和6年10月時点での労働市場の統計速報によると、事業所規模5人以上を対象とした常用雇用および労働異動の状況において、注目すべき変化が見られました。調査データによると、総労働者数は51,111千人であり、前年と比較して若干の増加を示しています。一方で、パートタイム労働者比率は30.75%に達し、前年よりも微増していることが確認されました。この変化は、柔軟な働き方や多様な雇用形態の需要が引き続き高まっていることを示唆しています。

業種別に詳しく見ていくと、製造業が総労働者数で7,658千人を占め、これは前年と比べて0.2%の減少となりました。また、鉱業や採石業では13千人と小規模ながらも1.3%の増加を記録しており、特定分野での労働需要の変化が顕著です。建設業では2,542千人が従事しており、前年と比較して0.8%増加したほか、電気・ガス業では265千人が従事し、前年より0.2%の減少となっています。

雇用動向をさらに詳しく分析すると、入職率と離職率の変動が業種ごとに異なる傾向が明らかになりました。全体の入職率は1.94%であり、前年より0.2ポイントの上昇が見られました。一方、離職率は1.78%で0.2ポイントの低下を記録しています。このような変化は、労働市場が安定化しつつある兆しともいえますが、業種ごとにその要因は異なります。たとえば、製造業では入職率が0.99%と低めである一方、離職率も1.06%とほぼ同等の水準を保っています。これは、製造業における雇用の流動性が低いことを示していると考えられます。

一方で、建設業では入職率が1.13%、離職率が0.94%といったデータが示されており、労働力の出入りが比較的活発であることが分かります。これに対して、鉱業や採石業では入職率が0.42%と非常に低く、離職率が1.18%と高い水準にあるため、安定した雇用確保が課題となっています。このように、業種ごとの入職・離職の傾向を理解することは、労働力確保の戦略を立案する上で重要です。

特に、パートタイム労働者の比率が業種ごとに異なる点も見逃せません。全体のパートタイム労働者比率は30.75%ですが、製造業ではこの割合が比較的低く、建設業やサービス業では高めとなっています。このような傾向は、フルタイム労働者とパートタイム労働者の需要バランスが業種ごとに異なることを反映しています。

企業の採用担当者にとって、これらのデータを活用することは重要です。たとえば、採用戦略を立てる際に業種ごとの入職率や離職率を考慮することで、ターゲット層に応じたアプローチを展開できます。また、パートタイム労働者比率を理解することで、労働力の多様性を活かした採用計画を策定する際の参考にもなるでしょう。さらに、労働市場の安定性や成長可能性を見極めるためには、統計データを継続的に分析し、変化に対応することが求められます。

このように、労働市場における統計データは、企業の採用活動だけでなく、長期的な人材戦略にも役立つ重要な情報を提供しています。特に、少子高齢化が進行する中で労働力不足が深刻化することが予想されるため、こうしたデータを活用した適切な人材確保が競争力維持の鍵となるでしょう。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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