2024年12月13日
労務・人事ニュース
化学物質管理強調月間が目指す安全な職場環境づくりとその具体的な取り組み
「化学物質管理強調月間」(2月)を初めて実施します(厚労省)
厚生労働省は、令和7年2月を「化学物質管理強調月間」と定め、この期間中に職場での化学物質管理に関する意識向上と対策の普及を目指す初の取り組みを実施します。この月間は、化学物質が持つ危険性や有害性について広く理解を深め、労働環境の安全性を高めることを目的としています。
職場で取り扱われる化学物質は数万種類に及び、そのうち約2,900が危険性や有害性を有することが判明しています。こうした背景を踏まえ、厚生労働省は本年4月から新たな化学物質規制を導入しました。この規制に基づき、今回の月間ではスローガンを掲げて啓発活動を展開します。
6月末から8月初めにかけて行われたスローガンの公募では、全国から約1,400件の応募が寄せられました。その中から選定された金賞作品は「正しく理解 正しく管理 化学物質と向き合おう」(東京都・舩本凪さん)。また、銀賞や銅賞には具体的な対策を呼びかける作品が選ばれ、化学物質管理の重要性を広く伝えるメッセージとなっています。
この月間中には、東京と大阪での特別イベントをはじめ、さまざまな啓発活動が行われます。特別イベントでは、化学物質に関する実務的なワークショップやリスクコミュニケーションの場が設けられます。例えば、洗浄作業で使用される化学物質を題材に、安全データシート(SDS)を活用したリスクアセスメント(RA)の手法やその結果に基づくリスク低減措置についての講習が予定されています。また、有識者や業界関係者が登壇し、化学物質管理の自律的な方法や業種別マニュアルの活用例を交えた講演と意見交換が行われます。
さらに、都道府県労働局や労働基準監督署では、化学物質対策に関する説明会や環境部局と連携した集団指導も実施される予定です。これらの取り組みは、特に第三次産業や中小零細事業場など、化学物質管理の知識が十分でない現場を対象とし、新たな規制を広く浸透させることを目的としています。
厚生労働省はこの月間を通じて、職場の安全確保とともに、化学物質の適切な管理の定着を図る考えです。スローガンに込められたメッセージが社会に広がり、多くの職場で化学物質管理の実践が進むことが期待されます。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ