2024年12月28日
労務・人事ニュース
北海道の空港でSAF導入へ!実証事業でCO2削減目標達成を加速
北海道においてSAF導入促進の実証事業を実施します ~将来のSAFサプライチェーン構築に資する取組~(国交省)
令和6年12月19日、航空局航空戦略室から、北海道における持続可能な航空燃料(SAF)の導入促進を目指した実証事業を実施することが発表されました。この取り組みは、航空分野の脱炭素化および地方の航空ネットワークを維持するために、地方空港においてもSAFを安定的に供給・利用できる環境を整えることを目的としています。今回の実証事業は、ENNEOS株式会社が主体となり、周辺自治体や企業との連携を通じて、SAFの輸送や給油に関する課題を抽出し、解決策を模索するものです。
このプロジェクトの背景には、航空業界が抱える深刻な環境問題があります。従来の化石燃料に依存する航空分野は、CO2排出量が多く、地球温暖化に与える影響が大きいとされています。そのため、環境負荷を低減するために、再生可能エネルギーや持続可能な燃料への転換が急務となっています。SAFはその鍵となる存在であり、バイオマス原料などを基に製造されるため、従来のジェット燃料と比較してCO2排出量を60%から80%削減することが可能です。この優れた環境性能により、SAFは持続可能な航空業界の実現に向けた最も有望な解決策として注目されています。
具体的な実証事業の内容としては、ENNEOS株式会社が北海道の苫小牧埠頭から新千歳空港および旭川空港までSAFを輸送し、現場での給油プロセスを実施します。この一連の活動を通じて、SAFサプライチェーンの課題を抽出し、効率的な供給体制の構築を目指します。この取り組みにより、地方空港でもSAFを安定的に利用できる基盤を作ることが期待されています。
本プロジェクトは、地方空港が抱える課題の解決に貢献するだけでなく、航空ネットワーク全体の持続可能性を高める役割も果たします。地方空港の多くは、人口減少や利用客の減少により経営が厳しい状況にありますが、環境に配慮した取り組みを進めることで、新たな価値を創出し、地域経済の活性化にもつながる可能性があります。
また、今回の取り組みは、地方自治体や企業、空港運営者など、多くの関係者が協力することで初めて実現できるものです。そのため、プロジェクトの成功には、技術的な課題をクリアするだけでなく、関係者間の調整や協働が重要となります。こうした連携を通じて、SAFの利用促進だけでなく、地方における航空産業全体の競争力向上が期待されます。
今回の実証事業は、地方空港へのSAF導入を進める上で重要な第一歩となります。これにより、将来のSAFサプライチェーン構築が加速し、持続可能な航空ネットワークの実現が一層近づくことが期待されます。このような取り組みが全国に広がれば、日本全体の航空業界における脱炭素化が進み、国際的な環境目標達成にも貢献するでしょう。
この実証事業に関する問い合わせは、航空局航空戦略室で受け付けています。SAF導入に関心のある自治体や企業は、ぜひ詳細を確認し、連携の可能性を探ってみてください。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ