2024年12月24日
労務・人事ニュース
北海道の高卒者就職率68.1%、未内定者支援を強化する取り組みとは(令和6年10月末現在)
令和 7 年 3 月新規高等学校卒業者の職業紹介状況(10 月末現在)(北海道労働局)
令和7年3月の新規高等学校卒業者に関する職業紹介状況が発表され、10月末時点でのデータによると、就職内定率は前年同月比0.1ポイント低い68.1%に達していることが分かりました。この数字は全国的なトレンドと比較しても微減となっており、北海道内における就職支援や求人動向が引き続き注目されています。
今年の求職者数は4,991人で、前年同月と比較してわずか0.3%(16人)の減少となっています。男女別では男子の求職者数が2,923人と2.8%(80人)の増加を見せる一方、女子は2,068人で4.4%(96人)の減少となりました。求人状況を見ると、道内全体での求人数は17,754人で前年同月比0.3%(54人)の増加が確認されました。産業別では建設業が最も多く4,109人で、次いで卸売業・小売業が3,290人、製造業が2,624人と続いています。これらのうち7つの産業が前年同月を上回っており、特に卸売業・小売業は116人の増加が見られました。
地域別では、札幌圏が6,975人(+5.8%)と最も多くの求人を提供しており、次いで帯広が1,511人(△6.6%)、旭川が1,382人(+5.9%)となっています。特に室蘭(+10.5%)や根室(+5.5%)など、一部地域では大幅な増加が見られました。道内の求人倍率は3.56倍と、前年の3.54倍を0.02ポイント上回り、依然として高水準を維持しています。
就職内定者数は3,401人で、前年同月比0.4%(13人)の減少が確認されています。内訳を見ると、男子が2,010人で3.6%(69人)の増加、女子が1,391人で5.6%(82人)の減少となり、男女間での差異が顕著に現れています。特に男子の就職内定率は68.8%で前年同月を0.5ポイント上回る一方、女子は67.3%で0.8ポイント下回っています。
未内定者数は1,590人で、前年同月比0.2%(3人)の減少が見られました。その中でも、道内での就職を希望する生徒は1,539人で全体の96.8%を占めています。道内での就職希望者に対する求人開拓や個別相談など、きめ細かい支援が行われています。例えば、札幌、函館、帯広の3地域では10月以降に就職面接会が開催され、就職機会の拡大が図られています。
事業所規模別の求人状況では、従業員29人以下の小規模事業所が全体の求人の大部分を占める一方で、従業員500人以上の大規模事業所では充足率が高い傾向が見られました。特に1,000人以上の事業所では求人充足率が49.0%と高水準を維持しています。また、主要産業別では、情報通信業や運輸業、卸売業・小売業が前年同月比で求人充足率を上昇させていますが、製造業や金融業では微減傾向が見られます。
全体的に見ると、就職内定率は過去数年で安定しているものの、地域や産業、事業所規模によりばらつきが存在しており、特定の産業や地域での求人開拓の必要性が浮き彫りとなっています。北海道労働局では引き続き、未内定者の支援や求人情報の提供を強化し、新規高卒者の円滑な就職を支援していく方針です。
⇒ 詳しくは北海道労働局のWEBサイトへ