2024年9月3日
労務・人事ニュース
北海道 高卒求職者数が4.5%増加!令和7年3月卒業予定者の就職動向
令和7年3 月新規高等学校卒業者の求人・求職状況(7月末現在)(北海道労働局)
令和7年3月卒業予定の新規高等学校卒業者を対象とした求人・求職状況に関する最新のデータが発表されました。北海道労働局の調査によると、道内における求人倍率は2.82倍となり、前年同月比で0.1ポイント低下したことが明らかになっています。この調査は、令和6年7月末時点での状況を基にまとめられており、道内の新規高等学校卒業者に対する求人状況や求職状況の変化が詳しく分析されています。
まず、求職者数についてですが、令和6年7月末時点で5,587人が求職活動を行っており、前年同月比で4.5%、つまり241人増加しています。特に男子の求職者数は3,252人で前年同月比8.1%、244人の増加を記録しています。一方、女子の求職者数は2,335人で、わずかに0.1%、3人の減少となりました。この結果から、男子の求職活動が活発である一方で、女子の求職活動はほぼ横ばいで推移していることがうかがえます。
次に、道内の求人数について見ていくと、総計で15,751人の求人があり、前年同月比で0.8%、121人の増加となりました。産業別に見た場合、最も多くの求人があったのは建設業で3,790人でしたが、前年同月比で22人減少しています。次いで、卸売・小売業の求人が3,013人で、前年同月比で171人の増加を記録しました。製造業においては2,394人の求人がありましたが、160人減少しています。このように、産業によって求人の増減が見られ、特に卸売・小売業が好調な求人動向を示している一方で、建設業や製造業における求人はやや減少傾向にあることがわかります。
地域別に見ると、札幌圏の求人が最も多く、6,250人で前年同月比3.0%の増加を記録しています。一方、帯広では1,273人の求人があり、前年同月比で3.3%減少しました。旭川では1,267人の求人があり、こちらは4.9%の増加となっています。また、全道20地域のうち8地域では前年同月を上回る求人が見られました。特に室蘭では14.1%の増加、根室では11.5%の増加が確認されています。このように、地域ごとに求人動向に差があり、札幌圏を中心に一部地域では求人が増加しているものの、他の地域では減少傾向も見られます。
一方で、求人倍率に関しては、全体で2.82倍となり、前年同月比で0.1ポイントの減少が見られました。地域別に見た場合、札幌では4.07倍と高い求人倍率を記録していますが、前年同月比で0.25ポイントの減少となっています。函館や北見ではそれぞれ1.64倍と3.03倍で、前年同月比でそれぞれ0.13ポイントと0.27ポイントの減少が確認されています。これに対し、旭川や室蘭、根室といった地域では求人倍率が増加しており、特に稚内では前年同月比で大きな伸びを示しています。
また、北海道労働局は、事業所に対して新卒者の採用枠拡大を要請し、求人開拓を進めています。具体的には、ハローワーク職員や就職支援ナビゲーターが企業への訪問を行い、採用枠の拡大を促進しています。さらに、北海道の経済団体にも協力を要請し、新規学卒者の雇用確保に向けた取り組みを進めています。これらの取り組みは、地域の雇用環境を改善し、若者の就職機会を広げることを目的としています。
就職活動に関する支援としては、6月1日からハローワークにおいて新規高卒者向けの求人受付が開始され、7月1日以降は高卒就職情報WEB提供サービスを通じて各高校に求人情報が提供されています。また、ハローワーク職員や就職支援ナビゲーターが講師となり、生徒に対して職業・産業に関する理解を深めるための講話を実施し、進路選択やキャリア形成の支援を行っています。
さらに、6月から9月の間に全道で38回の就職ガイダンスが開催され、高校3年生を対象に、就職への動機付けや企業選択の能力向上を図るための支援が行われています。また、企業説明会や応募前職場見学、就職面接会など、就職内定を促進するための多様な取り組みが計画されています。これらの活動は、卒業予定者がスムーズに就職活動を進め、希望する職業に就くための重要なサポートとなっています。
以上のように、令和7年3月卒業予定の新規高等学校卒業者を対象とした求人・求職状況は、地域や産業によって差異が見られつつも、全体的には求人が増加傾向にあります。企業側は、これらのデータを基に、今後の採用活動においてどの地域や産業での求人が効果的かを見極めることが重要です。また、求職者側も、自身のスキルや希望する業界に応じた地域や産業を選定することで、より良い就職先を見つけることが可能になるでしょう。
⇒ 詳しくは北海道労働局のWEBサイトへ