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2025年2月24日

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北関東の景気動向最新レポート!消費者の節約志向が食品・飲食業に与える影響とは(令和7年1月)

景気ウォッチャー調査(令和7年1月調査)― 北関東(現状)―(内閣府)

北関東地域における最新の景気動向が明らかになった。令和7年1月の景気ウォッチャー調査によると、業種によって異なるが、消費者心理の変化や物価上昇の影響が広く見られる結果となった。特に、食品関連の値上げが続く中での買い控えや、飲食業・小売業における売上の変動が目立つ。また、宿泊業や観光関連業種ではインバウンド需要が一定の支えとなる一方、国内消費の停滞感が指摘されている。さらに、製造業や人材派遣業など、企業側の動きも多岐にわたる変化が見られる。

小売業では、百貨店やスーパー、コンビニエンスストアなどがそれぞれ異なる動向を示している。百貨店では化粧品や衣料品が堅調に推移するものの、食料品の売上が低迷。特に生鮮食品の購買率が下がっており、価格高騰による消費者の節約志向が影響していると考えられる。一方で、食品大型物産展のようなイベントは引き続き好調なため、販売戦略の見直しが求められる。スーパー業界では、競合店の出店が続き、来客数が減少傾向にあることが指摘された。客単価や買い上げ点数には大きな変化が見られないが、消費者の購買行動に慎重さが増していると考えられる。

飲食業界では、一般レストランや居酒屋などで来客数の減少が顕著だ。年末年始の休暇期間が終わった影響もあるが、それ以上に節約志向の高まりや、外食に対する消費者の支出意欲の低下が影響している。また、飲食店の経営者からは人手不足やコスト増に対する懸念の声も上がっている。人材確保が難しく、給与を上げる余裕がない中で、従業員の確保が事業継続の課題となっている。

観光業では、宿泊業や旅行代理店の動向が注目された。年末年始の宿泊需要は一定の回復を見せたものの、増税や政治不安に関する報道が消費者心理に影響を与え、今後の見通しに不安を抱える事業者が多い。特に国内市場では消費マインドの低迷が顕著であり、インバウンド需要に依存する形になりつつある。旅行代理店では、正月期間中は比較的にぎわったものの、閑散期に入ると販売量の減少が避けられない状況となっている。さらに、物価高が旅費に影響し、利益確保が難しくなっている点も課題として浮かび上がった。

製造業では、業種ごとに異なる動きが見られた。輸送用機械器具製造業では、受注価格の見直しにより若干の改善が見られるが、依然として厳しい状況が続く。また、一般機械器具製造業では、新年の挨拶を交わす中で「仕事が活況で忙しい」という声は少なく、明るい展望が描けない事業者が多いことが分かった。さらに、電気機械器具製造業では受注量が前年比2~3割減少しており、中国向け生産の縮小が影響している。

物流業界では、新生活用品や白物家電、寝具などの物量は前年並みを確保しているものの、燃料価格の高騰や労働時間規制の影響で車両不足が深刻化している。特に2024年問題を見据えたドライバー不足の問題は、今後の物流コスト増加に直結するため、業界全体で対応が求められる。

人材関連業界でも変化が見られた。職業安定所によると、新規求人数は前年同月比で増減を繰り返しており、安定した雇用状況を示しているわけではない。特に、人材派遣業界では、50代以上の求職者が増えている一方、求職者の登録数自体が減少しており、企業側の理解が求められる状況となっている。人材派遣会社の経営者からも「派遣求人を掲載しても、以前のように求職者が集まらないため、減収につながっている」との声が上がっており、雇用市場の変化に対応した戦略が必要となっている。

以上のように、北関東地域における景気の動向は、物価高の影響を受けながらも、業種ごとに異なる課題に直面していることが分かった。特に、小売・飲食・観光業では消費者の節約志向の高まりが顕著であり、価格戦略や販売方法の工夫が求められる。一方、製造業や物流業では、原材料価格や労働環境の変化に対応する必要があり、長期的な対策が不可欠だ。今後の景気動向を見極めながら、事業者ごとに柔軟な対応が求められることになるだろう。

⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ