2024年12月20日
労務・人事ニュース
北関東の景気調査、年末商戦で期待高まるも課題山積(令和6年11月景気ウォッチャー調査先行き)
景気ウォッチャー調査(令和6年11月調査)― 北関東(先行き)―(内閣府)
令和6年11月に実施された北関東地域の景気ウォッチャー調査結果によると、複数の分野で景気の先行きに対する見方が報告されました。これらの報告は、小売業、宿泊業、飲食業、製造業、そして人材雇用に関する観点から地域経済の現状と課題を反映したものとなっています。
まず、小売業では贈答用品や季節商品が好調な売れ行きを示しているとの報告が目立ちました。特に、年末商戦に向けた期待が強く、クリスマスや新年に関連した商品販売の増加が予想されています。一方で、家計への負担増が続く中、高額商品や不要不急の品目に対する購買意欲は鈍化していることも指摘されています。こうした消費動向は物価高騰や家計防衛意識の高まりによる影響が大きく、景気全体の改善には課題が残る状況です。
宿泊業においては、都市型ホテルが好調な稼働率を維持しつつも、さらに成長余地を見込む声がありました。新年会や忘年会などのシーズンイベントが、宿泊予約の増加を支える一方、小規模な会合やオフィス関連の需要が依然として弱含んでいるとの指摘もありました。また、外国人観光客の堅調な動きがホテル業界を支えている一方で、地方部ではインバウンドに依存しすぎない安定した需要の確保が課題となっています。
飲食業界では予約数が例年を上回っており、特に新年会や成人式関連のイベントでの貸切予約が活発化しているとの報告がありました。しかし、物価高や最低賃金の上昇、人件費増加など、コスト面での負担増が業界全体に影響を及ぼしており、収益確保には一層の努力が求められています。
製造業では、半導体関連の生産増加や季節商材の需要増加が一部で報告されている一方で、多くの業種で不透明感が広がっています。特に輸送機械器具や金属製品製造業では主要取引先の減産や為替の影響を受け、業績に不安を抱える声が多く聞かれました。さらには、国際的な情勢不安や政策の不透明さが、企業の長期的な計画に影響を与えていることが指摘されています。
最後に、雇用関連では人手不足が深刻な課題として浮き彫りになっています。特に事務職や製造業関連の派遣社員の確保が難航しているとの報告が多く、人件費を上げることで対応を図る企業も増えているようです。しかしながら、コスト上昇が企業収益を圧迫している実態が見られ、この点をどのように解決するかが今後の鍵となるでしょう。
これらの結果を総合すると、北関東地域では景気の先行きに対する慎重な見方が依然として優勢ですが、部分的には成長の兆しも確認されています。小売業や宿泊業での需要増加、製造業での一部分野の回復は、地域経済にとって明るいニュースです。一方で、全体としての持続的な景気回復には政策的な後押しや各企業のイノベーションが求められています。
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