2025年2月19日
労務・人事ニュース
千葉県の新卒就職率75.3%に上昇!採用競争が激化する大学・高校の最新動向(大学等:令和6年12月1日現在、高校:令和6年11月末現在)
令和7年3月新規学校卒業予定者の就職内定状況等について(大学等:令和6年12月1日現在、高校:令和6年11月末現在)(千葉労働局)
千葉労働局がまとめた令和7年3月卒業予定者の就職内定状況について、詳しく分析すると、大学や短大、専修学校(高専含む)の卒業予定者の就職状況が前年よりも改善していることがわかる。大学等の就職内定率は75.3%で、前年同期より0.9ポイント上昇。特に短期大学の就職内定率は60.2%と、前年同期より6.2ポイントも上昇しており、これは大幅な改善といえる。一方で、大学(大学院含む)の就職内定率は77.3%と比較的高水準ではあるものの、前年同期比で0.4ポイントの上昇にとどまっている。就職内定者数を見ると、大学等全体で17,606人となり、前年同期比で1.8%の増加。求職者数もわずかに増えており、就職活動が活発化していることがうかがえる。
大学ごとのデータを見ると、大学(大学院含む)では就職内定者数が12,778人で前年同期比0.3%の減少。求職者数も16,538人と0.8%減少している。これは一部の学生が進学を選択するなど、就職以外の道を選んでいる可能性を示している。一方で短期大学の就職内定者数は657人と前年同期比8.4%増加。特に求職者数が減少しているため、短大生にとっては就職市場がやや好転していることがわかる。専修学校(高専含む)では、就職内定者数が4,171人と前年同期比7.9%の増加。求職者数も増えているため、積極的に就職活動を行う学生が増えていると推測できる。
高校卒業予定者の状況を見ると、就職内定率は78.1%で、前年同期より1.4ポイント上昇。特に就職内定者数は3,167人と前年同期比7.4%増加しており、企業の採用意欲の高まりが伺える。一方で求職者数も4,054人と5.5%増加しており、高校生の間でも就職志向が強まっていることがうかがえる。求人数も14,503人と前年同期比5.3%増加し、求人倍率は3.58倍で前年と同水準を維持している。これは高校生にとっては比較的就職しやすい環境が続いていることを示している。
中学校卒業予定者については求職者数が21人と前年同期比75.0%の増加。求人数も46人と53.3%増加しているが、就職内定者数はゼロとなっている。これは中卒での就職が依然として難しい状況にあることを反映している。また、中学校卒業予定者の採用選考および採用内定の開始日は1月1日からとなるため、今後の動向に注目する必要がある。
地域別のデータを見ると、千葉市では求人倍率が4.88倍と高く、就職内定率も75.9%と前年同期比2.0ポイント上昇。市川市では求人倍率が3.81倍で、就職内定率が70.4%と前年同期比3.1ポイントの上昇。銚子市では求人倍率が2.56倍と低めだが、就職内定率は90.9%と非常に高い水準を維持している。館山市も同様に求人倍率が3.12倍で、就職内定率が91.9%と高水準となっている。地域によって求人倍率や内定率に差があり、特に都市部では求人数が多いが、求職者も多いため競争が激しくなる傾向がある。
今後の課題としては、高校生や大学生の就職支援の強化が挙げられる。短期大学や専修学校では就職内定率が改善傾向にあるものの、大学生の内定率の伸びが鈍化している点が懸念される。企業側も新卒採用の手法を見直し、より多様な人材を受け入れる体制を整えることが求められる。また、高校生の求人倍率が3.58倍と高い一方で、就職内定率は78.1%と一部の求職者はまだ就職が決まっていない状況にある。高校生向けのキャリア教育の強化や、企業とのマッチング機会の増加が必要とされる。
このような状況を踏まえ、企業の採用担当者にとっては、求職者の増加傾向をいかに活用するかがポイントとなる。特に短大や専修学校卒業予定者の就職内定率が上昇している点は注目に値する。大学生の採用については、より柔軟な採用基準を設定し、学生にとって魅力的な職場環境を提供することが重要だ。高校生の就職状況も好調だが、一部の地域では求人数に対して求職者数が多いため、より積極的な採用活動が求められる。地域ごとの状況を把握しながら、適切な人材確保に取り組むことが、今後の採用活動の成功につながるだろう。
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